奇兵隊女隊士 高橋菊

女性隊士といえば新徴組中沢琴が有名ですが、
奇兵隊にも女性隊士がいました。

その女性隊士というのが高橋菊で、
竹崎の研ぎ職人の父を持ち、
縫針を売って生計を立てていましたが、
父と死別した後は稼ぎの良い力仕事に従事して、
台場の工事などにも参加しています。
大柄で性格も男まさりであった菊は、
力仕事に従事するうちに怪力を持つようになり、
大砲を一人で動かすなど人々を驚かせました。

攘夷戦では台場の人夫として働き、
弾薬を運び、負傷した兵を慰めるなど活躍。
次第に菊は男装もするようになり、
苗字も大塚柳斎という医者に付けてもらい、
高杉晋作の「」と豪商橋本屋の「」から、
高橋姓を名乗りました。

労咳療養中の晋作の許に毎日やってきて、
奇兵隊に入隊させてくれるように嘆願。
晋作も根負けして朱鞘の大小を与えて入隊させ、
新地奉行所より扶持米を給されたという。
会津戦争にも参加したとの話もありますが、
以後の消息は不明。

大小を持つようになってからは、
髪をおろしてを結い、
をはいて男の奇兵隊士同様の恰好で、
威張り散らして歩いていたようで、
押し借りをしたり、人にたかったりしたので、
最終的には追放されたともいう。

こういう不良隊士は古今どこにでも居ましたが、
男性化してただの不良隊士になったのでしょう。
菊は30代とも50代だったとも云われますが、
当時の50代ならお婆さんだったと思うので、
伝えられる膂力の様子からも、
30代くらいだったのではないでしょうか?

男装の麗人イメージではなかったようですね。

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