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「雪に舞う剣」古川薫

下関から松本への道中に読んだ本。
久々の古川薫作品で幕末短編集です。


雪に舞う剣」。

春雪の門
憎まれ役を買って出た藩勘定方の自刃を、
3人の娘が守るお話。
幕末より少し前のお話で、
女の強さと若者の愚かさが感じられました。

玉かんざし
島田虎之助を主人公とした珍しい作品。
幕末三剣士島田虎之助の最期を描き、
君子の剣、清廉潔白を説く島田の罪悪感が、
島田の命を縮める。
ちなみに勝海舟も島田虎之助の弟子。… 続きを読む

「暗殺の森」古川薫

中山忠光の死に疑問を持った新聞記者が、
暗殺に長府藩が関与したと考え、
毛利家を強請ろうとその謎を調べ始める。
史実を基に架空の登場人物が、
暗殺事件の真相に挑むサスペンス

事件を調べる主人公は悪徳新聞を発行して、
有力者から金を巻き上げるヤクザな記者。
彼は架空の登場人物なのですが、
出会った郷土史研究家の… 続きを読む

「花冠の志士」古川薫

久坂玄瑞は今年の大河で注目されています。
とはいえ久坂を主人公とした小説はあまりない。
今回紹介する古川薫の「花冠の志士」は、
数少ない久坂を題材にした小説。

久坂は吉田松陰高杉晋作を題材とした作品に、
必ず登場してはいますが、
イメージは優等生といった感じでしょうか?
はたまた攘夷思想の過激な行動で、
京都尊攘派の主魁として書かれることも多い。… 続きを読む

「十三人の修羅」古川薫


古川薫にハマっております。
文脈が自分に合ってるのか、
何故かスラスラ読めてしまいます。
何より長州モノばかり書いているので、
非常にそそられています。
しかもなかなか渋い題材のものが多く、
とてもいいですね。

今回読んだのは「十三人の修羅」。
英国公使館焼き討ち事件に参加した志士が、
紆余曲折の末、仏師になるというお話。

主人公は架空の人物(と思う・・)なのですが、
ホントにいるのかと思ってしまいました。

前半は高杉晋作続きを読む

「獅子の廊下」古川薫

椋梨藤太は長州幕末史の最大の悪役です。
今年の大河ドラマ「花燃ゆ」においても、
その例外ではないでしょう。
彼の他小説での書かれ方は俗物そのものです。
しかし果たして本当にそうだったのでしょうか?
椋梨は遠近附士という長州藩では低い位の出で、
実直勤勉に役人仕事を続け、
その長年の実績を買われた為に、
派閥の人脈に引き込まれた人物でした。

江戸後期、財政の立て直しの為の改革で、
長州藩は村田清風を起用します。… 続きを読む