安國寺は天神にある曹洞宗の寺院。
暦応2年(1339)に光明天皇(北朝)の勅命により、
国家安康祈願の為に建立されたもの。
元々は豊前国中津にありましたが、
慶長5年(1600)に中津領主黒田長政が、
名島52万3,000石に加増転封となった際、
現在地に移転して庇護を受けました。
「山門」。
平成5年建立の山門。
その高さは18.5mもあるようで、
京都の大寺院を彷彿とする巨大なもの。
門の両側を守る仁王像も巨大です。
「本堂」。
本堂も立派ながら古いものではありません。
前本堂は空襲にも耐えて残ったようですが、
老朽化の為に建て替えられたとのこと。
実は福岡の親戚がここの檀家なので、
ここでの法事に参加した事がありますが、
結構前の事で余り覚えていません。
安國寺の墓地は整理されており、
檀家の遺骨は地下の納骨堂にありますが、
著名人の墓石は本堂横に並べられてます。
中でも一番有名なのは飴買い幽霊の墓。
「岩松院殿禪室妙大姉
夢参童女」。
飴買い幽霊の墓とされる墓碑。
ある飴屋に毎晩女が飴を買いに来るので、
不思議に思った店主が後を付けると、
女は安國寺の中に消えていきました。
店主が境内に入ると赤子の泣き声が聞こえ、
声のする方へ行くと新しい卒塔婆があり、
その地中から泣き声が聞こえます。
そこで住職を呼んで墓を掘ってみると、
女の遺体と生きた赤子が出てきました。
自分が死んで埋められた後に出産し、
乳も与えられず死にきれない女が、
飴を買って与えようとしたのだろうとのこと。
残念ながら赤子はすぐに亡くなってしまい、
女の遺体と共に葬られましたが、
人々は憐れんで親子のような石を選び、
2人の墓碑としたようです。
妊娠中の女性が亡くなって、
埋葬後に出産して幽霊として育てる話は、
意外にも全国各地に存在しています。
しかしその殆どが助けられており、
後に成長して高僧となっていますが、
この赤ん坊はすぐに死んでしまいました。
それ故にリアルで悲しみを誘いますね。
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