石川県金沢市 開禅寺/長家墓所

開禅寺は金沢市野町にある曹洞宗の寺院。
寛正元年(1460)に越中国守山に建立され、
慶長4年(1599)に金沢に移転したという。
加賀八家のひとつ長家の外護を受け、
長家の位牌寺として新保に移転し、
三間道を経て現在地に移転しています。


本堂」。
手入れされた前庭が美しい。
本堂は明治4年に焼失していますが、
明治6年に再建されました。

墓地には長家6~8代の墓があります。

捐館 達徳齋神光映大居士(左)」、
秀香院殿玉蘭燕大姉(右)」。
長家26代(加賀八家6代)長善連の墓と、
その室秀香院(本多政昌の娘)の墓。
長善は5代長高連の嫡男として生まれ、
父の死去に伴い7歳で家督を相続しました。
病弱だったようで家政は家老らが代行し、
28歳で死去しています。


長連起夫妻合葬墓」。
※墓碑銘が破損して読めませんが、
 僅かに恵迪齋と読めます。

27代(加賀八家長家7代)長連起夫妻の墓。
5代長高連の養子であった長連安の子で、
連起の死去に伴い末期養子となり、
長家の家督を継ぎました。
43年の当主在任の後に隠居しますが、
同年に死去しています。


「連愛夫妻合葬墓」。
※こちらも墓碑銘が読めませんが、
 敬義齋配 前田氏と読めます。

28代(加賀八家長家8代)長連愛夫妻の墓。
7代連起の嫡男として生まれ、
父の死去に伴い家督を相続します。
2藩主の家督相続の御礼言上役を務め、
藩財政の改革を行うなどしており、
31年の当主在任の後に死去しました。

以降の当主の墓所は野田山に移り、
9代以降の墓は儒教式となっていますが、
その後も開禅寺が菩提寺を務めています。

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