「嫁」呼びは差別?

YAHOO!ニュースに「「嫁」呼びは差別?投書に反響」という記事があった。

 自分の妻を「嫁」と呼ぶのは違和感がある──そんな問いかけが話題を呼んでいます。
 女性が他家に嫁ぐような印象を与えることから、
 戦前の「家制度」を思い出すというのが理由。
 「今の時代にふさわしい呼び方を考えませんか?」という意見には
 「こだわりすぎだと思う」「どのように呼んでもよい」という反論も。

という記事。

発端となったのは、
『嫁』『主人』に代わる言葉ないか」というタイトルで
5月17日の朝日新聞の投稿欄に載った記事。

 タレントを含めて若い人が、妻を「嫁」と言うことに違和感を感じる。
 40年ほど前に結婚した私たちは「嫁」や「主人」という言葉は使うまいと決めた。
 戦前の「家制度」を思い起こすからだ。
 現憲法では結婚は個人と個人のものであり、女性が他家に嫁ぐことではない。

 ではどう呼ぶか。「妻」や「夫」は自分たち夫婦の呼称には使えても、
 相手に「あなたの妻」とは言いにくいし、「奥さん」「だんな」も問題があろう。
 「お連れ合い」と言い換えても、なかなかしっくりしない。

 若い人には「嫁」や「主人」などを使わずに、何と呼ぶべきか模索してほしい。
 そして言葉ひとつに、その言葉を使う人や使わない人の世界観が
 込められていることを理解してほしい。

この投稿に反響があったようです。

 「戦前の『家制度』を思い起こすからと書いておられるが、こだわりすぎだと思う
 「お互いの信頼の上に成り立つ呼び方ならば、どのように呼んでもよい
 「『嫁』は下に見られているようでいい気分はしない

記事では賛否両論とのことですが、たぶん「」の方が多いと思うし
そうあってほしいところです。

投稿した人が男なのか女なのか知りませんが、
自分達が「嫁」や「主人」という言葉は使うまいと決めるのは勝手です。
ただ、他人に使うなというのはどうかと思う。

そもその戦後の「家制度」と言われていますが、
配偶者に対する特別な呼び方は、日本に限らず外国にもあります。
それがたまたま日本では「妻」や「夫」だっただけの事。

たしかに本来「嫁」という言葉は、男性のもとに嫁ぎ、婚家の跡取りを生み、
その家のために働く女性に対する呼称です。
でも、言葉というものは、時代によって意味が変化して行くもの。

たとえば「貴様」と言う言葉は、
現在では相手を罵る時や同等以下の者に対して使われますが、
昔は文字どおり「あなた様」という意味の敬意をもつ言葉でした。
本来の意味を重視するのであれば、投稿者は他人を「貴様」と呼べばいい。
呼ばれた方は怒るでしょうけどね。

男が「俺の嫁」と第三者に言うとき、「俺の世話をする専属の女」という意味で
しゃべっているわけではありません(ごく少数いるかもしれませんが・・)。

男が「嫁」と認定するという事は、自分にとって特別な存在であるという証明です。
そういう意味があることを想像するべきですし、
男も「嫁・妻」と呼ぶという事は、
その「妻」を一生守って行くという決心をしなければならない。
女も「夫・主人」と呼ぶからには、その「夫」を助けていく決心をするべきである。
別にこれは日本特有ではない。
教会で神の前で同じようなことを誓い合っていますよね。
そういう意味で、配偶者に対する特別な呼び方があった方が良い。

「妻・嫁」「夫・主人」に現在序列があるのであれば、
「ウチの妻には、頭が上がらん」「俺の嫁怖いんだよ~」
とグチってるお父さん方や、
「ウチのダンナ、ほんとボンクラで・・」「ウチの主人、出来が悪い・・」
と言い合っている奥様方はどうなるんでしょう。
どう考えても「妻<夫」ではないですよね~。

まあ、自分らが呼びたくないのであれば、勝手にすればいい。
ただ、「ダーリン」「ハニー」といった気持ち悪い言葉が、
夫婦の呼称になるのは嫌ですよねぇ~。

■関連記事■
歴史を学ぶという意義
 歴史の勉強の意義についての私見。
また子供の虐待死がありましたね
 何度も起こる忌まわしい子供の虐待についての私見。
体罰について
 体罰についての私見。
テロについて・・・
 テロについての私見。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です