
以前より気にはなっていたんですが、
彰義隊を描いたマンガ「合葬」を読みました。
つい最近映画化されましたね。
作者は江戸風俗研究家の杉浦日向子。
既に若くして病気で亡くなられているそうです。
3人の無名の若者の視点で描かれており、
それぞれ別の理由で彰義隊と関わる。
幕末の大事なキーワードである「尊皇攘夷」や「外国の脅威」など、
若者達には関係ないように感じられます。
この漫画には、敵である新政府軍が出てきません。
もちろん直接斬り結ぶ将兵は出てきますが、
大村なり西郷なりの思惑や主張など何も描かれません。
攻めてくるのは、新政府軍なのか?
もちろんそうなのですが、これを大型台風に置き換えても、
津波に置き換えても何ら結果は変わらないように思えます。
若者達はその大きなモノに、すり潰されていく様。
実際にそのようなものだったのではないでしょうか?
「合葬」というタイトルの意味はわかりませんが、
若者達にとって災害と同様のものだったように感じられました。
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・合葬
映画化されています。
・東京都台東区 上野恩賜公園
上野戦争の舞台。彰義隊の慰霊碑があります。
・「彰義隊」吉村昭
寛永寺の山主輪王寺宮能久親王の逃避行。