草牟田墓地にある東郷重位の墓所。
東郷重位は示現流剣術の流祖で、
島津家の家臣だった人物です。
示現流は薩摩藩御留流となっており、
藩外の者への伝授は禁じられた剣術。
初太刀の鋭い斬撃が特徴で、
他藩の剣士に恐れられていました。
「東郷家墓所」。
これらの墓は南林寺墓地にあったもので、
南林寺が廃寺となったことにより、
草牟田墓地に改葬されたとのこと。
「東郷重位墓」。
示現流剣術の開祖東郷重位の墓ですが、
風化で碑銘は読めません。
東郷家は島津家に仕えた北薩摩の豪族で、
その遠縁だった瀬戸口重為の三男に生まれ、
後に嫡家の許可を得て東郷姓を名乗りました。
始めタイ捨流剣術を学んで実力を付け、
耳川の戦いで初陣ながら首級を挙げますが、
島津家は後に豊臣秀吉に降伏。
重位は京都に赴いて天寧寺の僧善吉に出会い、
天真正自顕流を相伝されています。
帰郷後に天真正自顕流とタイ捨流を合わせ、
独自の剣術を編み出しており、
多くの門人を抱えて示現流剣術を創始。
更に坊泊の地頭にも任命されており、
剣術だけの人物ではなかったとのこと。
寛永20年(1643)に死去しますが、
示現流は栄枯盛衰しつつ伝えられ、
現在も東郷家によって伝承されています。
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