高校生の時に集めたマンガ「陽だまりの樹」。
実家の奥から引っ張り出しました。
当時は幕末史にそれ程興味がなかったのですが、
同じく手塚治虫の「アドルフの告ぐ」に感動し、
手塚の漫画を集めた記憶があります。
この「陽だまりの樹」の主人公は二人。
伊武谷万二郎と手塚良仙(良庵)。
ちなみに手塚良仙は手塚治虫の曽祖父。
伊武谷万二郎は直情径行型の性格で、
世渡りが下手だが剣は強い。
幕府の立て直しを志しつつ、
倒れ行く幕府に忠誠を尽くす。
手塚良仙は女にだらしなく、
色街にばかり出入りしているが、
患者の治療となると本気を出す人物。
この二人は、恋敵として、ケンカ相手として、
友人となって動乱の幕末を、
苦悩しながら生きていきます。
この二人に関わるのは実在の人物達。
伊武谷万二郎は、山岡鉄舟、清河八郎、
藤田東湖、阿部正弘、橋本左内、
勝海舟、西郷隆盛、坂本龍馬、
タウンゼント・ハリス、
ヘンリー・ヒュースケンなどなど。
手塚良仙も、緒方洪庵、福澤諭吉、大鳥圭介、
伊東玄朴、大村益次郎などと関わります。
伊武谷万二郎は実在の人物達から一目置かれ、
攘夷を誘われたり要職に任命されたりしますが、
最終的に幕府と運命を共にする為、
上野の彰義隊に身を投じます。
手塚良仙は父と共に種痘所の設立に尽力し、
思い悩んだ末に軍医の道を進みます。
久々に読みましたが感動の作品。
これが1980年代の作品です。流石は手塚治虫。
新撰組や龍馬、西郷をほんのチョイ役にして、
幕末モノでこれだけの大作の書けるのは、
巨匠たる所以でしょうか?
少なくとも先祖を自慢する話ではありません。
■関連記事■
・大阪府大阪市 適塾と除痘館
実際に手塚良仙は適塾の塾生でした。
・「兵馬の旗」かわぐちかいじ
かわぐちかいじが描く戊辰戦争。
・「二本松少年隊物語 霞の天地」東雲さくら×まきお
二本松少年隊の悲劇を描いた漫画。