本宮ひろ志の漫画は個人的イメージとして、
「うおおおおお!」って叫んでるって感じ。
※ファンの方ごめんなさい。
たまたまなのかも知れませんが、
読んだ漫画は強引に終了したものが多く、
読むんじゃなかったと後悔する。
それだけに手に取らなかった漫画家の一人。
なんだか最近は出張で宿が無く、
ネットカフェ泊まりというパターンが多く、
漫画を読む機会が増えています。
幕末モノを探していて、
この幕末紅蓮隊を手に取りました。
4巻完結というのが時間的に手頃です。
お話は架空の侠客安馬の十蔵が、
幕末期に活躍した実在の侠客と絡みながら、
伝説的な侠客にのし上がっていくという話。
清水次郎長や黒駒の勝蔵、
会津虎鉄や日柳燕石などが登場し、
坂本龍馬や桂小五郎、西郷隆盛も登場。
「七万人の子分をもち、
その葬儀には十万人もの博徒が
参列したといわれる伝説のヤクザ」
と紹介しているので、
てっきり実在の人物かと思いましたが、
調べてみると架空の人物だったみたいです。
本宮ひろ志の他作品と同様に、
主人公は破天荒な男で、
行く先々で大物ヤクザと知り合ったり、
抗争しながら勢力を拡大していくのですが、
上手く史実と創作を重ね合わせます。
超大物になるのは本宮作品らしいのですが、
読者は実話ではないかと錯覚してしまう。
ある意味危険で何件かのブログでは、
実在の人物と紹介されていました。
僕が読んだ本宮漫画の夢幻の如くでは、
本能寺の変で生き残った信長が、
世界征服までしてしまうのですが、
全くあり得ない話ながら面白い作品でした。
男らしく破天荒な主人公が、
敵をやっつけていく訳ですが、
どんどん勢力を拡大していく様子は痛快で、
最終的に頂点に立てるのに、
あえてリタイヤしてしまう。
その部分は本宮作品の真骨頂が、
幕末紅蓮隊でも発揮されていたと思います。
尊皇攘夷が吹き荒れる中、
自分には関わりないと言う。
あえてそういうのと決別させることで、
主人公が一段と男らしく見える。
尊皇攘夷をからめれば広がるでしょうに、
主人公の性格を重んじてか、
豪快にそういう事にそっぽを向かせます。
男臭いキャラを産むコツかもしれませんし、
打ち切りになる危うさかもしれません。
とりあえずめでたく完結したので、
良かったなと・・・。
漫画としてもとても面白い作品でした。
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