久美浜湾は日本海に面した潟湖で、
小天橋と呼ばれる砂州で日本海と隔てられ、
冬に荒れる日本海で穏やかな湾内を保ち、
カキ養殖が盛んに行われれているようです。
ここに久美浜代官所が置かれ、
丹後及び但馬7万石の天領を管轄しました。
「久美浜湾」。
佐濃谷川、川上谷川、久美谷川が注き、
小規模な平野を形成しています。
湾内は確かに穏やかで波もありません。
京都府内唯一のオオハクチョウ飛来地。
「久美浜小学校(久美浜代官所跡)」。
現在の久美浜代官所陣屋の跡地は、
京丹後市立久美浜小学校となっています。
「陣屋橋」。
校舎の前を流れる陣屋川に架かる橋。
当時のものでは無いようですが、
陣屋があった事を児童に教えています。
「陣屋川」。
先程の陣屋橋の他にも、
3つの橋が架けられています。
川の石垣は陣屋時代の遺構でしょう。
久美浜に代官所が置かれた理由は、
海運五軒家が久美浜港を拠点としており、
年貢輸送等に便利な場所であったから。
丹後、但馬、丹波の三丹地方は、
幕府の天領や譜代大名が多く、
新政府の反対勢力が強いとされました。
そこで新政府は山陰道鎮撫総督を派遣し、
本願寺と豪商稲葉本家に分宿して、
当時の久美浜代官と交渉した末に、
代官所は明け渡されています。
久美浜代官所陣屋は官軍出張所となり、
長州藩士小笠原美濃介が支配権を委任され、
後に正式に久美浜県が発足し、
丹後、但馬、丹波、播磨、美作5国を管轄。
権知事に鳥取藩士伊王野坦が就任しました。
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