「フランス士官の下関海戦記」アルフレッド・ルサン

仏軍艦ラ・セミラミス号に搭乗し、
下関戦争に参加した仏士官の幕末史。
外国人から見た幕末の状況は、
日本の書物に馴れた幕末の状況とは一味違う。
幕府の役人に対しての不信感や、
対照的な武士階級以外の人々への好感

意外な事に欧米人は日本という国に対し、
紳士的に振舞っていた事もわかり、
当たり前ですが攘夷派の暗殺を恐れ、
日本国の政情に不安を抱いていたようです。
また英国公使館焼き討ち事件なんてのは、
完全に幕府の仕業と疑っていました。
日本の階級の仕組み、シキタリ、
歴史に至るまで正確に記載されています。
外国人から見た幕末史というの新鮮。

けれども一番この本で心を動かされたのは、
日本がどんなに美しいかを語っているところ。
フランスの田園風景と、
シチリアの島々を合わせたようなと形容され、
清潔で礼儀正しく勤勉でと評価された日本人。
瀬戸内海の航行中、
船員達が日が暮れるまで目を奪われた風景。

なんだかこういうのが嬉しいですね。

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