出雲文化伝承館は平成3年に開館した施設。
出雲の大地主坂田江角家の建物が移築され、
松江藩7代松平治郷の茶室が復元されており、
行くべき価値のある施設だと思います。
「出雲文化伝承館」。
出雲文化伝承館に移築された江角家の建物は、
出雲市斐川町坂田にあった江角家の屋敷のもの。
この江角家は灘分の江角家本家からの分家で、
宍道湖岸の斐伊川沿いの新田開発で活躍し、
幕末期には郡役人を務めていたようです。
同じく分家の原鹿江角家と共に栄え、
明治以降も大地主として続きました。
この門も江角家の長屋門を移築したもので、
出雲文化伝承館の入口となっています。
「出雲屋敷(旧江角邸母屋)」。
明治29年に建てられた母屋を移築したもの。
大戸口を入ると広い土間があり、
拝観は無料で座敷にも上がれます。
母屋南側の三間造り。
手前から三の間、二の間、書院と続き、
書院から出雲流庭園が見渡せます。
「出雲流庭園」。
出雲流庭園は出雲地方独特の庭園。
寺院や武家の庭ではなく豪農や豪商の庭で、
独自の様式を持っているようです。
大きな踏分石や短冊石を使い、
クロマツや常緑樹が植えられるのが特徴。
母屋から座って眺める庭園は格別です。
出雲屋敷から独楽庵へ。
「独楽庵」。
松江藩7代藩主松平治郷は隠居後に不昧と号し、
江戸の御殿山に隠居所「大崎園」を造営して、
千利休が建てたとされる茶室「独楽庵」を移築。
他にも10棟の茶室を点在させていたという。
この大崎園は幕末期の砲台建設で用地接収され、
跡形もなく取り壊されましたが、
貴重な独楽庵だけは松江藩下屋敷に移築。
しかしその直後の安政地震の津波により、
残念ながら流されてしまったようです。
ここは独楽庵を含む露地全体の古図を基に、
茶室研究の権威中村昌生の手で復元されたもの。
出雲文化伝承館にはこの他にも、
企画展示室、茶室「松籟亭」等がありますが、
子供連れで来たので今回は入っていません。
独楽庵には「雪隠」が3つもあり、
これを子供らにトイレであると教えると、
異常に喜んで雪隠!雪隠!と言ってました。
小学生ですしね・・・(汗)
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出雲国一宮。