安中藩5代藩主板倉勝明は学者藩主と呼ばれ、
学問を好んで藩士らに学問を奨励していました。
また西洋軍制を導入し、
積極的な藩政改革を行なった名君。
江戸時代初期からの学者や思想家の著述で、
まだ出版されていないものを探し求め、
自ら刊行したりもしています。
安中藩は同志社大学創始者新島襄も出身。
彼も「勝明公は中国の古典に精通し、
国内では藩主の中で最も傑出した学者だった」
と記しています。
安政2年にその板倉勝明は、
幕末の不穏な情勢に危機感を覚え、
迫り来る有事に備えて、
藩士達の心身を鍛える為に
遠足(マラソン大会)の開催を命じました。
藩庁である安中城から熊野権現まで、
その総距離28.25km。
標高差1000m以上の過酷なレースは、
50歳までの安中藩士96名。
「安政遠足之図」
このときの記録は、
『安中御城内御諸士御遠足着帳』
という書物に残されているという事ですが、
いくら探しても1位は誰だったかなんて、
ネットには載っていません。
NHKタイムスクープハンターの、
「風になれ マラソン侍」の回で、
この様子が取り上げられており、
岡村喜四郎や日下部伝蔵という藩士が、
1着をとってますが実在の人物でしょうか?
とにかくこの遠足が、
日本のマラソン発祥とされています。
現在も安中市ではこの安中遠足にちなんで、
毎年5月の第2日曜日に、
「安政遠足 侍マラソン」が行われています。
※追記
Yahoo!知恵袋で聞いたら、
5月19日→1位:黒田誠三郎
5月21日→1位:小林房之進とのことです。
タイムスクープハンターの岡村喜四郎や、
日下部伝蔵は創作のようですね。
■関連記事■
・群馬県安中市 安中城跡
安中藩の藩庁。
・「幕末まらそん侍」土橋章宏
安政遠足を題材にした小説。