宗像大社は宗像三女神を祀る神社の総本社。
沖ノ島の沖津宮、宗像大島の中津宮、
宗像市田島の辺津宮の三社の総称ですが、
一般には辺津宮を宗像大社と呼びます。
天照大神とスサノオの誓約の際に、
天照大神がスサノオの剣を噛み砕き、
その破片から生まれたのが宗像三女神で、
彼女らは天照大神の神勅を奉じ、
皇孫ニニギノミコトを守護する為に、
玄界灘に浮かぶ筑紫宗像の島々に降臨して、
この地を治めたとされます。
古くから氏神として信仰を集めましたが、
神功皇后の三韓征伐の際、
航海の安全に霊験があったとされ、
航海安全の守護神として崇められました。
鎌倉時代以降は戦火で度々焼失しますが、
その都度朝廷や領主が再建しており、
現在の本殿は天正6年(1578)の再建で、
拝殿は天正16年(1590)の再建です。
「辺津宮」。
三女神の市杵島姫神を祀る神社。
市杵島姫神は三女神の末妹とされ、
商売繁盛、芸能、金運、豊漁、交通安全、
五穀豊穣、海上安全等に御利益があり、
子供の守護神としても崇敬されています。
「拝殿」及び「本殿」。
本殿は戦国大名で大宮司の宗像氏貞の再建。
拝殿は小早川隆景の建立とのことで、
双方共に国指定重要文化財。
この辺津宮は市杵島姫神を祀り、
他の二女神は沖ノ島の沖津宮と、
宗像大島の中津宮にそれぞれ祀られます。
このうち中津宮は神湊港より大島に渡海し、
参拝する事ができますが、
沖津宮のある沖の島は大祭以外は上陸禁止。
しかも女人禁制が守られています。
※女性は嫉妬され祟りがあるとのこと。
この為、中津宮はまだしも沖津宮の参拝は、
非常にハードルが高い。
この為か他の二女神の分霊が、
辺津宮の本殿裏手に鎮座しています。
「第二宮」。
田心姫神を祀る第二宮。
社殿は伊勢神宮の式年遷宮の際、
伊弉諾宮の古殿を移築したもの。
田心姫神は三女神の長女です。
本宮は上陸禁止の沖ノ島にある為、
参拝はこちらでしかできません。
※宗像大島に沖津宮遙拝所もあります。
「第三宮」。
湍津姫神を祀る第三宮。
こちらの社殿も伊勢神宮の式年遷宮の際、
伊弉弥宮の古殿を移築したもの。
田心姫神は三女神の次女です。
本宮の宗像大島にはフェリーで行けますが、
アクセスとしては良好ではありません。
少し不思議に思ったのは、
これ程の規模でありながら、
賑やかな門前町が無かった事。
宗像三女神を祀る総本社でありながら、
江戸期に参拝客で賑わったような、
他の大神社のような感じではなさそう。
街道から外れていたのも要因でしょうか?
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