化け狸

仕事で地方の田舎道を夜走る事が多い。
これは特に東北で多いのですが、
田畑や森を車で走るとタヌキがよく横切り、
危うく轢きそうになるケースがあります。
多分ヘッドライトに驚いて、
車道に飛び出すようなのですが、
わざわざ轢かれに出て来るので、
運転している我々も用心が必要。
50km程度で走行した場合には、
体感では車の少し前に出て来るようです。
ですが少し速度の速い車がいると、
飛び出した際に轢かれてしまい、
朝方に無残な狸の轢死体を見る事も多々。
僕は幸いにも安全運転の為、
今迄轢いた事はないのですが、
目の前に飛び出された事は数えきれません。
調べると日本の自動車での轢死は、
タヌキがその半数を占めているようで、
毎年8千匹強が犠牲となっているという。

が人間を化かしたり、
不思議な行動を起こすことは、
多くの昔話伝説に見られますが、
日本書紀等の文献においても、
超常現象の原因として狸が登場します。
これは上記の轢死の件と関係があるのでは?
そう考えてみるとなんとも辻褄があう。
 街灯も無い今よりも暗い夜道で、
 提灯ひとつで男が一人歩いていると、
 その光に反応した狸が目の前に飛び出す。
 「ぎゃ~出だぁ~
 男は一目散に元来た道に戻って行く。

なんとなく想像出来ますよね。
狸が人間を化かすってのは、
こういう事が繰り返された結果でしょう。

タヌキと双璧を成す化かし動物として、
キツネが挙げられますが、
こちらは夜道に出てきた事はありません。
調べてみると双方の個体数は、
正確ではないもののほぼ変わらないという。
※少しタヌキの方が多い。
その割にキツネが飛び出したケースは無く、
タヌキと同様の説は当てはまりません。
どうもこちらは中華からの伝承のようで、
九尾狐等は古代中華の文献に登場しており、
これが日本に入ってきたのでしょう。

そのせいかどうかはわかりませんが、
稲荷神の眷属として祀られますが、
少数はあるものの狸の神社は少ない。
伝説等にしても狐が人を化かすには、
何らかの理由があるのですが、
狸が人を化かすのは単純なイタズラが多い。
狐は良い狐悪い狐もいるのですが、
狸は単なるイタズラ者というイメージです。
※勿論例外はあります。

仕事で田舎の夜道を走るようになって、
ヒヤリの場面に遭遇する機会が増え、
このように考察してみた次第。

■関連記事■
アマビヱ
 コロナ禍で一躍有名になった妖怪。
下関市観音崎町 永福寺の幽霊掛軸
 年に1度御開帳される幽霊の掛軸。
兵庫県姫路市 お菊神社
 皿屋敷のお菊さんを祀る神社。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です