中通島北東部に位置する崎浦地域は、
赤尾、友住、頭ヶ島、江ノ浜のからなり、
半農半漁を生業としていた地域でしたが、
江戸後期に海岸に露出する砂岩質を、
採石して加工する石材業が発展。
この石材は問屋等を通じて広く流通し、
平戸や長崎の石材に利用されました。
通路の石畳、石臼や石流し等の生活用品、
家屋の腰板石や神社の鳥居等、
四集落には多くの石材製品が残され、
[新上五島町崎浦の五島石集落景観]として、
重要文化的景観選定地区となっています。
潮合騒動の慰霊碑のある江ノ浜墓地に、
江ノ浜地区の石工先駆者の墓があります。
「石田利吉の墓」。
この4基のどれかが利吉の墓。
たぶん右端ではないかと思います。
※現地説明板にこの4基が写っています。
利吉は安政6年に死去した幕末の人物。
彼が平戸領に行って技術を学び、
採石や加工を広めたとされており、
これが友住や赤尾に広まって、
崎浦の石文化が始まったとのこと。
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頭ヶ島にある石造の教会。
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沈没事故とその騒動。