本保陣屋は越前国天領を治める代官所陣屋で、
飛騨郡代出張代官所として羽生郡や大野郡等、
天領175ヶ村5万石を統治していました。
越前市本保町近辺(本保陣屋の場所)
「本保陣屋跡」。
現在は陣屋の敷地だった場所の一部が、
整備されて公園となっており、
陣屋門がなどが復元されています。
敷地内部。
説明板と石碑などがある他は何も無い。
桜が植えられていたようですが、
全て根本で切られていました。
枯れてしまったのかな??
本保陣屋内の建物の様子。
正門は復元されたような冠木門ではなく、
このような長屋門だったようですね。
中央に政務を行う御本陣御用場があり、
御門長屋を含めた3つの長屋が、
役人達の住居だったようです。
飛騨郡代大井永昌は、
天保の飢饉の際に越前へ出張し、
飢饉の残状を目の当たりにして、
本保陣屋で自らが指揮を取り、
飛騨より救米を取り寄せ、
自身の私財も救済に充てたという。
通常は派遣された数名の手代が常駐し、
その政務を執り行っていたようで、
郡代が出張して来ることもあったという。
維新後は陣屋に本保県庁が設置されますが、
明治4年の第1次府県統合により消滅。
代官所陣屋は役目を終えて田畑となり、
陣屋内の建屋は民間に払い下げられました。
移築された建屋などが周辺に散らばっており、
現在も残されているものもあるようです。
※2020/02/24 画像変更。
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