「幕末 維新の暗号」加治将一

名古屋に出張で3時間半ほど電車の中。
毎回のように駅の書店で文庫本を買い、
新幹線の車内で読んでいます。

今回読んだのは「幕末 維新の暗号」。

表紙にトンデモ写真と噂のフルベッキ写真
加治将一?知らんなあ・・。
まあよくわからんが、
幕末本だし暇つぶしに読んでみるかと購入。

望月真司は封を切った。
送り主は前作「龍馬の黒幕」を

堪能したとある。

ん?あれ?作者は加治将一だよな?
ああ、架空の人物を自分に見立ててるのか。
龍馬の黒幕?なんか覚えあるなあ・・。
あれはたしか出張中のホテルで、
たまたまテレビをつけたら、
そんな特集をやってた・・。
龍馬はエージェントだったとかなんとか。
その時は笑いながら見てたなあ。
なんか嫌な予感がするが続きを読んでみる。

ある人物にフルベッキ写真を送られ、
その写真が本物を調べるという話らしい。
小松帯刀が同一人物だという比較写真や、
一緒に写る西郷大久保の位置関係から、
本物だと主張している。
写真は似てるとは思えないし、
位置関係云々の説明も微妙ながら、
ロマンがあっていいじゃないと読み進める。
その後は勝海舟、撮影場所の推理、
フルベッキの説明を書いている。

注目すべきは、彼のもう一つの顔、
 フリーメーソンです


出た!陰謀とかで出て来る団体。
そこからだんだん脱線してきた。
南北朝時代の話?
江藤新平は陰謀で殺された?
グラバーサトウらは全能の神々で、
武士は子供同然?
なんだかトンデモ説がたくさん出てきた。
そして明治天皇のすり替えまで発展・・・。
おいおい!
真相を探っているうちに、
南梟団という秘密結社が妨害してくる。
明治天皇がすり替わった事を隠すために。
フルベッキ写真が米国に保管されていて、
日本の政治家がアメリカのいいなりなのは、
フルベッキ写真があるからだそうだ。
最終的に1ドル札に梟が隠されているので、
アメリカと「南梟団」がつるんでるって話。

・・・まず皆さん!
これはフィクション小説ですよ!
絶対信じないでね。
そうだったんだ!」と思わないように。

僕ら日本人はダビンチ・コードを見ても、
へぇーって程度なんでしょうけど、
キリスト教圏の人からは眉唾。
実際にキリストの子孫を秘密裏に、
しかも本人にも気づかれず、
2000年も守るのは不可能です。
でもね・・・・
こういうノンフィクション風の小説は、
読む人によっては信じてしまうんですよね。
歴史に詳しくなかったら、
「へーそうなんだ」って思うもんなあ・・。

左寄りの思想で書いたのか、
ただ面白いものを書こうとしただけなのか、
タブーに挑戦して名を売ろうとしたのか、
天皇制に反対の立場でかいたのか、
陰謀オタクなのか、
どういう意図かはわからないけど、
これはネガティブキャンペーンとなります。

「南梟団」ってネーミングセンスが皆無。

※※これがトンデモ幕末史との出会い(笑)。
この頃は重要とは思ってませんでしたが、
歴史が歪められるということが、
政治にからんでしまう事を、
後に知る事となります。2019/08/06

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