「最後の将軍」司馬遼太郎

司馬遼の「最後の将軍」を読みました。

徳川幕府第15代将軍徳川慶喜のお話。
慶喜に良い印象持ってなかったのですが、
この本を読んで・・・
あんまりイメージ変わらないか・・(笑)。

幕末は下級武士たちの物語が多く、
殿様方にスポット当たりにくいのですが、
実際には江戸時代は殿様がエライのです!
※あたりまえか・・

面白いのは慶喜を志士や公家らが英雄視し、
慶喜さえ将軍になったならば・・。
と、救世主のように見ていたということ。
本人は一部の人間しか知らないのに、
噂でカリスマが出来上がってしまう。
現代にも通じるものがありますね。
実際には人ひとり変わったくらいで、
世の中は変わらないでしょう。
慶喜は将軍でなければ、
水戸徳川家でなければ、
また違った運命があったかもしれません。
でも残念ながら志士でもなく大名でもなく、
慶喜は将軍になってしまいました。

下のほうから足場が揺らいでゆく感覚。
これは殿様の明治維新かもしれません。

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