明神池は笠山の砂州にある汽水池。
海に繋がっていない池なのですが、
真鯛、ヒラメ、スズキ、ボラ、エイなど、
海の魚が泳いでいるという不思議な池。
特にエイが池を泳ぐ姿は必見です。
「明神池」。
国指定の天然記念物となっており、
観光スポットのひとつにもなっています。
もちろん江戸時代も不思議な池だった訳で、
2代毛利綱広が宮島より厳島三神を勧請し、
厳島神社の社殿を建立しました。
これに因んで明神池と呼ばれるようになり、
地元の漁師達が豊漁を祈願して魚を放流。
その魚達が繁殖したという。
「厳島神社」。
越ヶ浜の氏神として信仰される神社。
家祖毛利元就が信仰した厳島神社から、
2代綱広が勧請したもの。
「風穴」。
厳島神社の裏手にある岩の隙間。
夏でも12~13℃の冷風が流れ出る穴で、
天然のクーラーとなっています。
訪問時は冬なのでよくわかりませんでした。
この明神池の畔に御茶屋があったようで、
藩主の静養や茶会に利用されたようですが、
詳しい事はわかっていません。
八月十八日の政変で落ちた三条実美は、
湯田の高田御殿で隠棲していいましたが、
藩主毛利敬親の招きに応じ、
萩に来てこの御客屋に宿泊しています。
「三條實美卿遺詠」。
池の畔にある三条実美の歌碑。
三条は敬親と共に明神池に遊び、
自らの境遇を慰めたようですが、
その際に池に泳ぐ魚を見て詠ったという。
この国の濁らぬ水にすむ魚は
游ふさまさへ勇ましきかな
長州藩の志士らを詠ったもので、
サービス精神旺盛な歌となっています。
海の魚が池で泳いでいるという不思議さを、
公卿の三条がわかるか微妙ですが、
説明くらいは受けていたでしょう。
その割に歌はその事に触れておらず、
単に長州藩士の勇ましさを、
美しい池の魚になぞらえて詠ったもので、
別の池で詠ったとしても問題ない内容。
たぶん理解出来てなかったと思います。
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