プライドは誇り、自尊心を意味しますが、
日本では良い使われ方はしません。
「アイツはプライドが高い男だ」は、
ほめ言葉ではない。
でも誇りは良い使われ方をするようで、
「アイツは誇り高い男だ」は、
ほめ言葉です。
同じ意味なのですが、
誇りは自分の行動を律しているイメージ。
誇りって言葉は、他人にどう思われようが、
自分の信じた道を進む事って気がします。
皆様の職場にもいらっしゃるかもですが、
自慢したり武勇伝語ったりする人。
うっとおしいですね。
ぜんぜんすごいなんて思わない。
尊敬できる人ってのは誇りを持ってる人で、
自慢したり武勇伝語ったりしない人。
国においてもそういう誇りを持てる国が、
世界において尊敬される国なのでしょう。
わが国もそうありたいものです。
さて吉田松陰は山鹿流兵学師範でしたが、
山鹿流は山鹿素行が開いた兵法です。
この山鹿素行は兵学者でもありましたが、
思想家でもありました。
朱子学に疑問を持つようになり、
古学という新しい学問体系を作り、
後の国学にも影響を与えました。
もちろん松陰も兵法だけでなく思想的に、
かなりの影響を受けています。
その素行は「中朝事実」を著しており、
それには中華思想において、
シナ大陸の王朝が世界の中心で、
他国が外夷という思想は間違っている。
日本国こそ中国である!と言っています。
どこぞの国のようですが、
そんな与太話ではなく、
なぜそうなのかを論理的に説明します。
儒者の自国軽視でシナを重んじる風潮は、
素行は問題であると訴えたのです。
日本には荒廃治乱、物事の制度、
人民の礼儀等のすべてが文献で存在する。
まずはそれを学び、研究し、改善して、
道を究めるのが先で、
その後にシナの優れたところを学び、
吸収するのが良いと主張します。
まさにそのとおり。
一昔前は欧米化だとかいって、
日本文化を軽視していました。
シナをアメリカに変えて、
戦後も同じことを繰り返しています。
最近は日本の文化が見直されてきており、
大変に良いことです。
日本は開闢以来天皇が治め、
国体を守り貫いてきた国ですが、
シナは易姓革命により王朝が変わる国で、
節がなく義もない国であり、
そんな国を中華とは呼べない。
日本こそ中華(中朝)そのものと主張します。
ここからがポイント。
これを読んで、
「そっか~オレの国ってすごいんだ」
と思うのは良い。
でもそれではプライドがいい気持ちなだけ。
そこからどうするかが重要なんですね。
そういう国の武士に生まれたのだから、
皇室の為、国に為、人民のために、
「誇り」を持って行動せねばならない。
「中朝事実」を読んだ後世の人々は、
そう考えなければならないのです。
そういう国に生まれた自分は、
それに相応しくなければならない。
・・という気持ちが大切。
オレの国はすごい国だと主張したって、
だれもすごいなんて思いません。
「アイツの生まれた国だろ?
どうせロクな国じゃないよ」と、
思われるでしょう。
正しく生きて行動しているだけで、
「彼(彼女)を生んだ国は、
きっと良い国なんだろう」と、
必ず思ってくれるはず。
読む人の識が問われる書物。
こういう書は諸刃の剣です。
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TVを観るとウソつきばっか。
・何度も書いてますが・・・。
面白いだけのトンデモ説なら良いですが。