招魂場について

暑くなりましたねぇ。
今年もTVで戦争モノとかやるんだろうなぁ。
もはや夏の風物詩のようで、
年末に忠臣蔵やるようなもんです。
※最近は忠臣蔵は殆どやりませんが・・

ついでに靖国神社がどうのこうの言い出して、
遂には護国神社招魂社云々言い出す始末。
挙句に靖国神社は長州藩の守り神だったとか、
全国護国神社は長州の息が掛かっているとか、
もうめちゃくちゃです。

政治がらみや戦争批判がらみで、
長州藩が色々といわれるのは、
現総理が山口県人(2017現在)だからでしょう。
鹿児島県人が総理大臣になったら、
どうなるのか見てみたい気もします。
鹿児島県の国会議員頑張れ~!

それはさておき靖国神社は招魂社で、
招魂社は高杉晋作発案の桜山招魂場が始まり。元々人が一人亡くなれば、その子供や妻、
子孫などが供養する
のが普通ですが、
身寄りの無い者や天涯孤独の者は、
誰も供養してくれません。
奇兵隊士は次男坊三男坊
他藩からの脱藩人が多かったようで、
死んでも供養してくれる人がいません。

そこで晋作は藩や国の為に死んだ隊士達を、
皆で供養しようじゃないかと思いつき、
奇兵隊訓練場の桜山に招魂場を造営。
これに三条実美の意見で社殿が建てられ、
墓碑+社殿の招魂社の形が出来上がります。

戦死者を皆で供養しようという精神に賛同し、
他の諸隊地域領主が桜山招魂場に習い、
各自でこれを設置した為に、
藩内に数多くの招魂場が出来ました。
招魂場は藩政府の方針ではなく、
各隊各所の独自政策だった訳です。

維新後に国事に殉じた志士や兵を、
国で供養しようという発案が出され、
京都東山霊明社(現霊山護国神社)や、
東京招魂社(現靖国神社)が創建されます。

また各地に創建された招魂社(護国神社)も、
領主有力者によって造られたのもの。
家臣や領民を皆で祀ろうというもので、
靖国神社とは関係ない独立した神社でしたが、
後に廃藩置県で保護者が国へと変わった為、
各招魂社が統一化された経緯があります。

各地の護国神社に合祀された祭神は、
その土地出身の殉難者で、
吉田松陰やその他長州人は入っていません。
長州の息が掛かっているのだとすれば、
当然のように入っている筈ですが、
調べもせずにデマを流す人達がいます。

長州の守り神もお門違いな説ですし、
国に殉じた人を皆で祀るという行為は、
とても崇高なものだと思います。
誰かが嘘の歴史を政治に利用していますが、
勉強していない人が殆ど。
・・・・というかバカばっか。
色々な政治活動をするのはかまいませんが、
嘘や勘違いを垂れ流して、
歴史を湾曲するのだけはやめて欲しいですね。

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