福岡県福岡市 平尾山荘

福岡市下関市から高速道路で、
1時間ちょっとで行けます。
仕事の営業ではよく行くのですが、
なかなか史跡めぐりをするには、
意外に億劫な場所なのです。
福岡城もお得意様の近くなんですが、
未だ行った事がない・・・。

そんな福岡市ですが、
幕末史において重要な史跡があり、
行かなきゃ行かなきゃと思いつつ、
行けていなかった場所に、
やっと行ってきました。

それが今回ご紹介する平尾山荘です。

平尾山荘は女流歌人野村望東尼の住居。
現在は山荘周辺が山荘公園として、
綺麗に整備されています。


公園にある野村望東尼の胸像
望東尼は高杉晋作の時世に、
下の句をつけた事で有名です。

おもしろきこともなき世を(に)おもしろく
すみなすものは心なりけり
←この部分ね。

この句は死の前年に作られた説もあり、
時世ではないとも言われていますが、
晋作の波乱に満ちた生涯を現す名句が、
時世でも違ってもどうでもいいことです。

晋作が自分の人生を顧みて、
おもしろきこともなき世を(に)おもしろく
と作ったが、
どうしても下の句が思いつかない。
この狂気に満ちた素晴らしい上の句を、
どう処理するか?
悩んで悩んでも思いつかないところを、
望東尼がすみなすものは心なりけりと、
教訓じみた尻つぼみの句を作ってしまった。
面白くない世を面白くするのは、
 自分自身の心次第」という、
人生の先輩的というか隠居の教訓というか、
悩み多き若者に人生とは、
こんなものだと説教したような句。
狂気に満ちた上の句が、
下の句で平凡な秀作に変わってしまう。

でもそれが面白い。
天才であり風雲児である晋作の心は、
望東尼を含めた我々凡人(秀才含)達には、
計ることはできないという、
証明になったのです。

天才晋作が築いた道筋を、
秀才である凡人達が引き継ぎ維新は達成。
この句は明治維新そのものですね。


望東尼の歌碑。
武士のやまと心をよりあわせ
 ただひとすぢの おほつなにせよ
訳:武士達の大和魂を撚り合せて、
  一筋の大綱にして目的に向かえ!

志士達に対する激励の歌です。


石碑の少祠」。
平野国臣中村恒次郎の短歌を、
石に刻んだものが治められています。
望東尼はこの2人の短歌を刻んだ石を、
庭に祀ろうとしていましたが、
乙丑の変姫島へ流されたため、
家人によって庭に埋められていました。
明治42年の山荘再建の際、
掘り起こされてこの祠に祀られました。


平尾山荘」。
明治42年に有志達により再建されたもの。
晋作はここに10日間滞在しています。
裏手には名水の湧き出る井戸があり、
その水で点てたお茶を飲んのでしょう。
晋作の他にも勤皇僧月照加藤司書
平野国臣、中村円太月形洗蔵
西郷隆盛などが訪れています。
この山荘は志士らの密会場所でした。

山荘の隣には管理棟があり、
中には展示コーナーがあります。
管理人が常駐しておりお話を伺いましたが、
観光客は少なく1日1人~3人位とのこと。
大河の影響も皆無のようです
管理人さん寂しそうですので、
お近くにお寄りの際は行ってあげて下さい。

未だ花燃ゆの望東尼役が発表がされてません。
まさか出ないということは・・・。
楫取素彦美和子にも関係ある人物です。 
もうそろそろ出てもいいはずなんですが・・。
まさかね・・・・。

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