長崎県長崎市 山王神社

最後にもう一つだけ原爆遺構へ。
山王神社一本柱鳥居を見にいきました。


一本柱鳥居」。
山王神社の二の鳥居であり、
原爆で片方の柱が吹き飛ばされており、
今も一本柱で建っています。
山王神社には4基の鳥居があったようで、
一の鳥居は無傷であったものの、
爆風で四の鳥居三の鳥居が倒壊し、
二の鳥居はこのような状態となりました。
後に一の鳥居は交通事故で倒壊した為、
この鳥居が当時唯一のものとなっています。


倒壊した二の鳥居の左半分。
山道に並べられた倒壊した部分で、
破壊されたというより、
分解してしまったような感じです。

見たかった一本柱鳥居は見れましたが、
このまま帰るのは山王神社に失礼。
しっかりとお参りしましょう。
参道は途中で浦上街道に接続しており、
山王神社はこの街道に隣接していました。
※浦上から北上して時津湊に至る街道で、
 長崎街道が整備される以前の主要街道。



街道沿いの石段上にある巨大な2本の楠
樹齢は4~5百年とされており、
浦上街道を行く旅人を見守っていましたが、
原爆で枝葉は失われて幹も焼かれてしまい、
立ち枯れ状態となっていましたが、
やがて樹勢を盛り返しました。


社殿」。
当時の社殿は原爆によって焼失。
この山王神社は寛永15年(1638)に、
松平信綱島原の乱で長崎に赴いた際、
山王権現の勧請して創建されたもの。
後に山王権現を本尊とする円福寺となり、
神仏習合の寺院として江戸期は栄えますが、
維新後の神仏分離令により日吉神社となり、
後に澤宣嘉の創祀した浦上皇大神宮と合祀。
現在は山王神社と改称しています。

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