山口県下松市 花岡宿跡

花岡は和同2年(709)創建の八幡宮周辺が、
一夜にして桜花で包まれた事に因むとか、
岡の端で端岡というのが変化したなど、
地名の由来は諸説ありますが、
古くから花岡八幡宮門前町として栄え、
江戸時代以降は宿場にも指定されて、
隆盛を極めていたようです。


御国廻御行程記 花岡」。
下部の大きな川は切戸川と思われますが、
かなり大きく描かれています。
その上に下松市、更に上が花岡市


下松市末武上周辺。緑の線が街道筋で、
青でぼかした辺りが花岡宿跡。


花岡宿跡」。
宿場であると共に門前町でもあった花岡は、
大変な賑わいであったという。
現在も多少ながら古い家屋も残され、
雰囲気ある街並みが感じられます。


花岡宰判勘場跡/御茶屋跡」。
花岡には宰判勘場及び御茶屋が併設され、
本陣の役割を果たしていました。
これについては別記事とします。


法静寺」。
慶安4年(1651)創建の浄土宗のお寺で、
脇本陣としても利用されたという。
稲穂祭り(きつねの嫁入り)で知られます。


花岡福徳稲荷社」。
法静寺の境内にある稲荷神社
享保9年(1724)のある夜に当時の住職が、
数珠を失くして困っていたところ、
住職の夢枕に白ぎつね夫婦が現れて、
自分達を人間同様に弔ってもらえれば、
数珠を探して地域を守護すると告げます。
住職が目覚めると数珠は枕元にあり、
告げられた場所で白ぎつねの亡骸を見つけ、
その城ぎつねに戒名をつけて手厚く葬り、
境内に社を建てて祀りました。
以降、失物たずね物が見つかるとされ、
また良縁にも恵まれるということで、
毎年12月の稲穂祭には多くの人々が訪れ、
狐の嫁入り行列も行われるようになり、
全国的にも知られるようになったという。


金分銅酒造」。
花岡八幡宮一の鳥居の横にある酒造所。
創業は明治32年との事ですが、
寛政9年(1797)の絵馬にも描かれており、
昔から酒造所であったようです。
昔ながらの槽搾で酒を製造しているという。


花岡八幡宮(一の鳥居)」。
和同2年(709)に宇佐八幡宮より勧請。
豊臣秀吉朱印状などの97通の古文書類、
破邪の大太刀等が所蔵される由緒ある神社。
こちらも別記事で紹介します。

■西国街道の宿場町

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