
出張に行く前には、図書館で本を借ります。
出張って、仕事終わって夜に宿で何をするかが問題。
する事がないと、ろくなお金使わないので(何するんだ?)、
こういうときこそ本を読むのがいいんです。
松平春嶽は賢候と言われますが、
僕の中ではなんだかあんまりいいイメージがありません。
どの辺が賢候なのか?ちょっと最近気になったもので、
この本を選びました。
で、読んで率直な感想としては、
松平春嶽は、幕府の腐敗を改革しようと懸命に努力した人なのだなと・・。
しかし、幕府の闇は、そう簡単にはぬぐえません。
あの手、この手と彼なりに努力しますが、思惑とは別に時代は流れます。
松平春嶽の改革は、間違ってはいないかったのでしょう。
しかし、それを実行するには彼は上品すぎました。
改革は、非道を伴わないといけません。
大老の井伊直弼は、非道を持って事に当たりました。
その後、春嶽は政治総裁職という大老と同等の立場に立ちます。
しかし、彼は井伊ほどの非道さはありません。
反対勢力を一掃させる気がないと、幕府の闇は無くならないでしょう。
改革を進めるには、彼は上品過ぎたのです。
その理由は、彼が徳川一門で殿様であったからではないでしょうか?
脱藩志士は元の自藩が潰れようとも、目的を果たせます。
それは、低階級の武士が多く、自藩への忠誠心が薄かったからか?
しかし、春嶽には徳川一門の誇りがあります。
譜代が努めるべきと、大老への就任を固辞したのもその表れではないでしょうか。
しかし、幕政での頭打ちに対して、自藩の改革は紆余曲折しながら、
総合的には成功と見て良いでしょう。
軍制の改革。貿易の推進。横井小楠を登用して、福井藩を富ませます。
一時、藩内対立で横井小楠を手放しますが、再び呼び戻します。
彼がもし、徳川一門でなく外様大名であったなら、
自藩の富国強兵につとめ、幕政に外から関与し、
京都に近い地の利を生かして、本望を遂げることが出来たかもしれません。
徳川一門であったおかげで、幕政に上から参加できましたが、
徳川一門であったために、思うような改革が出来ず、
明治新政府でも思うようにならなかった。そんな気がしますね。
■関連記事■
・福井県福井市 福井城跡
福井藩の藩庁。
・福井県福井市 由利公正宅址ほか
福井市内の史跡など。。
・熊本県熊本市 熊本城(復興中)
横井小楠は熊本藩の出身。