大分社は大分市羽田に鎮座する神社で、
大分稚臣及び豊門別命を祀っています。
天武天皇元年(672)の壬申の乱において、
大海人皇子の軍に参加して戦い、
瀬田の戦いで戦功を挙げた人物。
滋賀県大津市 瀬田の唐橋
その武勲を讃えるために創建されたとされます。
「鳥居」。
広くは無い境内の南側に立つ2つの鳥居。
大きな鳥居のすぐ後ろに小さな鳥居があり、
それぞれ一ノ鳥居、二ノ鳥居となっています。
「拝殿」。
瀬田の戦いで両軍が対峙した際、
大友皇子方の先鋒の将智尊により、
橋の中程に落し穴が仕掛けられますが、
稚臣は長矛を捨てて突進し、
落とす仕掛けを作動させる綱を切断。
矢を受けながら敵方に突進した事により、
大友皇子方の兵は壊走します。
これにより壬申の乱は大海人皇子が勝利し、
大友皇子は首を吊って自殺。
滋賀県大津市 長等山前陵
翌年に大海人皇子が即位しています。
※40代天智天皇。
同じく祭神の豊門別命は12代景行天皇の皇子で、
稚臣含む大分氏の始祖とのこと。
当社は初め六坊村(現上野ヶ丘)に鎮座し、
貞観11年(869)年に下郡滝尾山神ヶ迫に遷座。
豊後国守護大友家の崇敬を受けて隆盛し、
豊後国一宮とされていましたが、
後に西寒多神社や柞原八幡宮が一宮を称し、
次第に衰退していきました。
明暦3年(1657)に現在地に再び遷座しており、
現在に至っています。
■関連記事■
・大分県大分市 柞原八幡宮
豊後国一宮のひとつ。
・大分県大分市 西寒多神社
豊後国一宮のひとつ。
・大分県宇佐市 宇佐神宮
豊前国一宮。