養翠園は和歌山市南西部にある大名庭園で、
紀州藩10代藩主徳川治宝が造営したもの。
治宝は大浦湾、水軒川、水軒浜周辺に、
西浜御殿の庭園として茶室や汐入の池を造り、
それ以外の場所は田畑として田園風景を添え、
四季の海浜や田園を楽しむ別邸としました。
「養翠園」。
将軍家御庭師山本某の作と伝わる大名庭園で、
元々は紀州藩士山本理左衛門の下屋敷という。
国指定名勝に指定されています。
「汐入りの池」。
大浦湾の海水を引き込んだの池。
潮の干満に応じて細波が立つようで、
その満ち引きが独特の風情を魅せます。
池を覗くと牡蠣、蛤、ハゼ、モズクなど、
庭園らしからぬ生き物が見られました。
このような大規模な汐入り池の庭園は、
ここと浜離宮恩賜庭園だけとのこと。
「養翠亭」。
数奇屋造りの御茶屋で、
原型そのままに良好に保存されています。
藩主の別荘建築が友廻り含めた完全な現存は、
他に例がありません。
「湊御殿(奥御殿)」。
敷地内に移築された湊御殿の建物。
湊御殿は2代藩主徳川光貞の隠居所で、
元禄11年(1698)に造営されたものです。
湊御殿は数度の火災に見舞われており、
その度に再建されちますが、
現在の建物は天保5年(1834)に再建されたもの。
後の13代藩主徳川慶福の治世では、
※後の14代将軍徳川家茂。
一時的に藩の政庁兼住居となっています。
湊御殿は維新後に払い下げが行われ、
和歌浦東に移築されて個人宅となった後、
和歌山市に寄進されてここに移築されました。
御殿内は見学可能です。
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