川辺宿は西国街道の19番目の宿場で、
高梁川の西側に置かれました。
宿場は岡田藩伊東家の領地で、
一時期は宿場内に陣屋が建てられ、
藩の拠点にもなっています。
※陣屋は領内で数度移転しており、
最終的に岡田陣屋となりました。
真備町川辺周辺。緑の線が街道筋で、
青でぼかした辺りが川辺宿跡。
高梁川には橋は架けられておらず、
渡し場があったようです。
「川辺宿跡」。
川辺周辺は水害の多かった場所で、
幾度もその被害に遭ったようです。
近年では平成30年西日本豪雨災害で、
川辺地区の殆ど全ての家屋が浸水。
現在もその爪痕が残っており、
更地が多く見受けられました。
その為か宿場時代の面影は皆無で、
新しいお家が目立っています。
「川辺本陣跡」。
本陣を務めた藪波惣七家の跡。
横溝正史の小説金田一耕助シリーズの、
第1作である本陣殺人事件は、
この藪波家がモデルであるという。
現在の跡地は植村歯科となっています。
※藪波家は維新後に岡田に移住。
「川辺脇本陣跡」。
脇本陣を務めた日枝家の跡。
跡地は消防団の倉庫となっています。
享保14年(1729)に江戸へ向かった像は、
同年4月12日に川辺宿に到着します。
この珍しい宿泊者を一目見ようと、
殿様と内記様が宿内の源福寺に入り、
藪の中から像を御覧になったとのこと。
この殿様は6代藩主伊東長丘のようで、
内記様は長丘の息子と思われますが、
後の7代伊東長詮なのか、
別の誰かなのかはよくわかりません。
こっそり覗いたというのが面白いですね。
■西国街道の宿場町
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