椿大神宮は伊勢国一宮。
猿田彦大神を祀る神社の総本社とされ、
県内で3番目に参拝者の多い神社という。
※1番は伊勢神宮、2番は二見興玉神社。
社伝によれば垂仁天皇27年(657)に、
第四皇女倭姫命に下った神託により、
猿田彦大神の墳墓の近くに社殿を造営し、
道別大神の社としたようです。
「一之鳥居」。
境内入口に建つ一之鳥居。
大社にしては普通の大きさの鳥居ですが、
鈴鹿IC近くに巨大な大鳥居も建っています。
「獅子堂」。
一之鳥居をくぐってすぐの場所にある社殿。
聖武天皇の勅願で獅子頭が奉納され、
獅子堂という名の由来となったようです。
交通安全祈祷、車輌清め祓い等が、
ここの前庭で行われるとのこと。
「参道」。
獅子堂の右側が本殿への参道。
長い参道はこれぞ大社といった感じ。
「断り乃鳥居」。
参道中央にある断り乃鳥居は、
神戸藩本多家の奉納。
江戸中期に境内の御神木を伐採し、
神戸城を築いたところ、
完成後に一夜にして焼失したようで、
これを神威と恐れた藩主は、
この鳥居を奉納して許しを請うたという。
神戸城修築は初代藩主本多忠統ですので、
たぶん忠統が奉納したと思われます。
この鳥居の先の左側が高山土公神御陵で、
社殿では猿田彦大神の御陵とのこと。
訪問時はよくわからずにスルーしました。
「拝殿」。
断り乃鳥居を含む3つの鳥居をくぐり、
椿大神社の拝殿に到着。
巨大な拝殿で本殿は見えませんが、
総檜の神明造りとのこと。
主祭神猿田彦大神をはじめ、
天孫瓊々杵尊、栲幡千々姫命、
木花咲耶姫命、天之鈿女命、
行満大明神等、32神が祀られています。
本殿への参拝を終えて椿岸神社へ。
「椿岸神社(細女本宮)」。
天之鈿女命を祀る神社。
猿田彦大神の妻とされており、
天照大神が天岩戸に隠れた際には、
岩戸の前で踊って戸を開けさせた女神。
芸道の祖神、鎮魂の神、夫婦円満の神、
縁結びの神として敬われています。
芸道を志す参拝客が扇を収め、
芸道の上達を祈るとのこと。
「行満堂神霊殿」。
猿田彦大神の神裔行満大明神を始め、
神宮寺等6ヶ寺所縁の神々を祀ります。
御神体は仏像のようですが、
神様として祀られているとのこと。
「松下幸之助社」。
行満堂神霊殿の脇にある小さな社で、
祭神はPanasonic創始者松下幸之助。
経営の神様と知られる人物ですが、
彼はこの椿大神社に何度も通い、
茶室と日本庭園も寄進しています。
境内の脇道。
美しかったので一枚。
「五輪塔群」。
椿延命地蔵尊の隣に並べられた五輪塔群。
当時の神主で山本城城主の山本刑部は、
神戸城城主織田信孝に従いますが、
天正11年(1583)に筒井順慶に攻められ、
山本城は落城して戦死しています。
これらはその戦いの戦死者のもので、
中央最奥が山本刑部の供養塔とのこと。
猿田彦大神は天孫降臨の際に、
邇邇芸命の道案内した国津神。
伊勢の阿邪訶で漁をしていた際、
比良夫貝に手を挟まれて溺れ、
命を落としたとされます。
その亡骸がこの地に葬られ、
後に椿大神社が建立されたという。
社名は仁徳天皇が椿の霊夢を見た為、
その名を冠したとのことです。
■関連記事■
・三重県鈴鹿市 都波岐神社 奈加等神社
もうひとつの伊勢国一宮。
・島根県出雲市 出雲大社①
出雲国一宮。
・福岡県久留米市 高良大社
筑後国一宮。