小浜湊は若狭湾の支湾小浜湾にあり、
東側に突出する松ヶ崎と、
西部に突出する鋸崎に囲まれ、
自然の防波堤を形成している為、
湾内は冬にも高潮が来ない良港。
「小濱湊」。
古くから朝鮮半島等との交易があったとされ、
小浜には多くの渡来仏像が残っており、
応永15年(1408)年には将軍への献上品として、
象やインコを積んだ南蛮船が渡来しました。
また湾内の魚介類は干物や塩漬けに加工され、
陸路で京都に運ばれていたようで、
[御食国]若狭の主要地でもあったようです。
「人魚の像」。
海岸沿いに設置されている人魚の像。
人魚の肉を食べた八百比丘尼は、
若く美しいまま800年も生き続けたとされ、
夫や知り合いが皆老いて亡くなった後、
出家して全国を行脚します。
各地で貧しい人々を助けたり、
椿等に木を植えたりしながら旅を続け、
故郷の小浜に戻り洞窟で入定しました。
像はこの人魚伝説により設置されたとのこと。
「小浜の街並み」。
江戸時代の小浜城下は3区に分けられ、
それぞれが東組、中組、西組となりました。
このうちの西組は現在も商家が多く現存し、
往時の雰囲気が残っています。
集中して古い町屋が集まっているというより、
町全体に点在しているという感じ。
西組や中組に商家が多かったようで、
東組には廻船業者が多かったとされます。
「旭座」。
福井県内に残る唯一の近代芝居小屋。
港町小浜は芸能娯楽文化が盛んだったようで、
[三つ松座]という芝居一座が藩に認められ、
芝居小屋での興行が許されていました。
全国に3000あったとされる芝居小屋は、
現在30数ヶ所しか残っていないようですが、
この旭座もそのひとつとのことで、
明治43年に新築されたもののようです。
「さば街道起点」碑。
小浜市鯖街道ミュージアム前にある碑で、
歩道の敷石として埋め込まれたもの。
鯖街道は小浜と京都を結ぶ街道の総称で、
特定の街道ではなく数本の街道を表しますが、
どの道も小浜を起点としています。
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