日本中に思案橋と呼ばれる橋はありますが、
その多くは遊郭跡近くにあります。
遊郭は楽しいが散財してしまうので、
渡ろうか渡るまいか思案した橋でした。
ですが岩国市の思案橋は少し違い、
周辺に遊郭跡は存在しません。
渡ろうか渡るまいか思案した橋なのですが、
それは遊郭に行く為ではなく、
全国的に有名な錦帯橋を見る為です。
「思案橋」。
県道1号岩国大竹線より御庄川に掛かる橋。
この県道1号線は西国街道にあたり、
思案橋は岩国城下への追分でした。
つまりこの橋を渡らずに直進すれば、
目的地へ早く行ける訳です。
先を急ぐ旅人がこの橋に辿り着き、
橋を渡れば岩国に至ると聞いて、
世に知られる錦帯橋を一目見たいと、
橋の前で渡ろうか渡るまいか思案。
この為に思案橋と呼ばれるようになりました。
嘉永6年に篤姫は将軍家への輿入れの為、
鹿児島から陸路で江戸を目指しますが、
思案はせずに錦帯橋を渡ってみたいと、
この橋を渡って岩国城下に到着。
しかし吉川家家臣らは橋の破損を理由に、
通行を許可せずに船での見物を進めます。
これに篤姫は強硬手段に出て、
許可も得ずに役人の制止もきかず、
勝手に渡ってしまったとのこと。
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