(映画)御法度

久々に「御法度」を観た。
これは平成11年公開の作品ですが、
当時劇場には足を運ばなかったものの、
レンタルが出てからすぐに視聴しています。
DVDを借りたのかVHSだったのか、
 記憶があいまいで覚えてません。

監督の大島渚は当時よくTVに出演し、
コメンテーターとして活躍しながら、
本業の映画は全く撮ってなかったようで、
僕も「戦場のメリークリスマス」以外は、
大島渚の作品を全く知らず、
野坂昭如と殴り合ったりするような、
変な思想のオヤジだと思っていました。
そんな大島が10年ぶりにメガホンを取り、
司馬遼原作の作品を造るというので、
当時は非常に話題になっていたと思います。
「戦メリ」も視聴はしていましたが、
そっち系の話はあまり理解出来ず、
友人らからの評価は高かったものの、
あまり好きな作品ではありませんでした。
とはいえこの「御法度」は、
当時相当話題になっていたこともあり、
一度は観ておくべきであろうと、
レンタルされ始めですぐに借りています。

そんな感じで前に観たのは約25年前。
内容はなんとなく覚えてはいますが、
もう一度観てみました。


この作品は松田龍平のデビュー作で、
美少年として描かれていますが、
現在個性派俳優として成功している彼が、
このようなデビューだったというのは、
当時を知らない人からすれば、
不思議な感じはあるかもしれません。
彼の演じる加納惣三郎は美形で、
18歳になっても前髪を切らぬ若者。
同時期に入隊した田代彪蔵は、
衆道に引きずり込みますが、
田代以外にも彼に言い寄る者も出て、
隊内の秩序が少しずつ乱れてゆく。
土方歳三はこれを憂慮しつつ、
沖田総司と注視しますが、
やがて痴情の縺れから死人も出るに及び、
その犯人が田代だと断定した土方は、
加納に田代を斬らせる役を命じます。

初見では「戦メリ」と同じ感想で、
それ以来の視聴ですが、
内容を承知で再度視聴すると、
意外にも松田龍平が役にハマっており、
結構良かったと思います。
美形かといえばそうでもありませんが、
表情や雰囲気は得体が知れず、
最後に土方がバケモノと言ったのが、
視聴者も共感出来ると感じました。
沖田役の武田真治は終始爽やかで、
大変に好感が持てる役ですが、
殆どの隊士が加納に多少の好意を持つ中、
一貫して加納や田代を嫌います。
武田も当時は「フェミ男」と呼ばれ、
美形な俳優の代表ではありましたが、
対照的に映って非常に男らしい。
これは僕の見方ではありますが、
武田真治の沖田に好感を覚えました。
土方の「バケモノめ!」のセリフからも、
これが監督の意図するところでしょうし、
松田龍平の役どころがハマったのでしょう。

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