田布施は宗家9代島津忠国の長男島津友久が、
相州島津家を興した地。
江戸時代には薩摩藩の直轄地となり、
地頭が派遣されて地頭仮屋が置かれました。
「田布施地頭仮屋跡(田布施小学校跡)」。
田布施地頭仮屋跡は田布施小学校の跡地。
遺構は残っていないようです。
田布施という地名は山口県にもあり、
陰謀論で有名となっています。
祖父に天皇の血筋だと聞かされた少年が、
老体となった後にこれを吹聴し、
その話に飛びついた作家によって、
「田布施システム」という与太話が誕生。
やがて「明治天皇すり替え説」が広まり、
その信憑性を持たす為に総理が2人も出た、
伊藤博文の出身地熊毛郡束荷村が近い等、
こじつけで色々と補完されており、
挙句に「鹿児島にも田布施がある!
やはり薩長が関わっていた!」など、
意味不明の共通点が広まりました。
そもそも田布施の名の由来は、
「田伏」が語源とされており、
田を荒らす害獣を見張る小屋の事で、
これがあった場所という意味。
「田布施」に限れば多くはありませんが、
田伏、旅伏、多伏等、「タブセ」の地名は、
それ程珍しいものでもありません。
そういう訳で山口県の同地名とは、
全く関係が無いようです。
薩摩藩の外城御仮屋
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