(映画)銀魂

これを[幕末モノ]として良いのかと言えば、
十中八九違うと言われそうですが、
非常に評価が高く話題となった作品ですので、
一応扱わせて頂きます。

そもそも[週刊少年ジャンプ]は、
少~中学生頃しか購読していません。
たまに散髪店喫茶店に置いてあるのを、
パラパラと斜め読みする事はありましたが、
この作品を連載中に読んだ記憶はありません。
但し幕末を題材にしたギャグ漫画として、
[銀魂]がある事はどこからか聞いていました。
実際にも何話かは読んだ記憶がありますし、
偶然出張先でTVアニメをやっていた際に、
これも何話か観ています。
これらは何れもギャグ主体の話で、
何ら幕末要素はありませんでしたが、
シリアスな回もあるらしいというのは、
どこかで聞いて知っていました。


物語は江戸時代末期という設定で、
宇宙人[天人(あまんと)]の侵略を受け、
地球人とこの天人の十数年の戦いの末、
幕府は天人の力に屈して開国
天人達が我が物顔で市中を闊歩し、
幕府は天人達の傀儡となっており、
廃刀令が施行されて武士の魂は奪われ、
かつて天人と戦った攘夷派志士達は、
弾圧の対象となっていました。
坂田銀時はかつて天人と戦った志士で、
現在は[万事屋銀ちゃん]を経営。
何でも屋として数々の事件に遭遇し、
個性的なキャラクターらと共に、
これらを解決するという内容です。

幕末期の諸外国を宇宙人[天人]に置き換え、
これを否とする攘夷志士が抵抗するも、
弱腰の幕府が開国してしまうという、
なんとなくそれっぽい世界観ですが、
江戸の風景は高層ビルが建ち並び、
電化製品科学技術も現代レベルに進化。
それでいて庶民は長屋に居住し、
着物に髷を結うスタイルをしており、
ある種のサイバーパンク的な世界ですが、
ギャグ漫画故にデストピア感は無く、
なんとなく平和な雰囲気。
この様な世界でかつての攘夷派志士らは、
桂小太郎をリーダーに討幕活動を続け、
これに特殊警察真選組が対抗します。
上記のように桂小五郎が桂小太郎、
新選組が真選組と変更され、
他にも幕末の人物を元ネタとして、
数多くキャラが登場してはいますが、
その殆どがギャグ要員となっている模様。
また高杉晋作を元ネタとした高杉晋助は、
過激派テロリスト集団鬼兵隊を組織し、
桂らとは一線を画した勢力として暗躍。
これがメインの悪役となっています。

基本的にはあまり歴史には準じておらず、
その殆どが元ネタ程度のようです。
ここが違うあそこが違うというような、
そんなレベルでは毛頭ないので、
それ程目くじらを立てる程でもありません。
聞くところによると[銀魂]の影響で、
新選組のファンが増えたともされるので、
ギャグ漫画とバカにも出来ないと思います。

説明が長くなりましたが映画としては、
原作が上手に再現されているようで、
評価が高かったのも頷けます。
キャラもそれぞれ生きていますし、
話も意外と上手に纏められていました。
※漫画とアニメの拙い知識によるもので、
 それ程詳しくない人間の意見として。

監督福田雄一の作品としては、
新解釈・三國志」を視聴していますが、
これは非常に残念な作品
三国志という広大なストーリーを、
2時間の枠に納める事に失敗しており、
黄巾族の乱から赤壁の戦いまで、
グダグダと寸劇を見させられた感があり、
豪華な俳優陣を無駄に使っていて、
期待の割に残念であったと記憶しています。
たぶん「レッドクリフ」のように、
赤壁の戦いに絞って内容を濃くすれば、
面白いものになっていたでしょう。
これに対して本作品は、
ベースの話数を絞っているらしく、
話も纏まって面白かったと思います。
同監督でも作品によって出来が違うのだなと、
単純に映画の感想として思いました。

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