犬飼湊は大野川流域にあった川港で、
現在の竹田市に拠点を置いた岡藩が、
城下に送る物資の陸揚げや、
参勤交代時の河路の発着地とした場所。
「犬飼湊」。
大野川西岸に船着場が設置され、
石畳が敷かれていました。
ここで様々な物資が陸揚げされて、
岡藩の物産品が船積みとされたという。
大野川の下流には岡藩領の三佐湊があり、
そこに物資が運ばれていたようです。
川側にある大蔵通りへ。
「豊後金毘羅宮」。
明暦2年(1656)に岡藩3代中川久清により、
水運安全の為に勧請されたもの。
「越戸茶屋跡」。
参勤交代時に藩主が休憩した茶屋跡。
ここで船の出航を待っていたのでしょう。
更に北側へ行くと藩主用乗船場跡があり、
茶屋からそこまで移動して乗船したようです。
「藩主用乗船場跡」。
岩を彫って形造られた乗船場跡。
たぶん往時は板が敷かれていたと思われ、
船を滑らすようにしていたと思われます。
「波乗り地蔵」。
乗船場跡壁面に刻まれた地蔵の絵。
波乗りする地蔵はハイカラですが、
これはサーフィンではなく小舟で、
川下りしている地蔵の絵のようです。
河路の安全祈願に刻まれたものでしょう。
大蔵通りに戻って丘の上へ。
「犬飼御茶屋跡」。
岡藩の御茶屋と役所が置かれた場所。
現在は犬飼ふれあいセンターとなっています。
水害の影響を受けにくい高台にあり、
廃藩後は女学校や高校が建てられました。
次回は犬飼の町並みへ。
■関連記事■
・大分県大分市 岡藩三佐御茶屋跡
大野川を下って三佐御茶屋へ入りました。
・大分県竹田市 岡城跡①
岡藩中川家の居城跡。
・大分県大分市 今市宿跡
岡藩領の豊後(肥後)街道の宿場町。