岡山県高梁市　成羽陣屋跡

成羽藩は交代寄合５千石の成羽山崎家が、
新政府より高直しされて成立した維新立藩。
成羽山崎家は丸亀藩山崎家の庶流で、
宗家が無嗣断絶のために改易となった後も、
５千石の交代寄合として続いた家でした。
はじめ讃岐国仁保を所領としていましたが、
宗家の改易後に成羽領に転封し、
以後は成羽領主となっています。

成羽陣屋跡(現地案内板より)。
陣屋は山麓に沿う様に長く広がったもの。
薩摩藩の鶴丸城の小型版といった感じ。
とはいえ石垣が状態良く残されており、
陣屋ながら見ごたえはあります。

「大手門跡」。
陣屋中央付近にある大手門の跡。
当時は桝形となっていたようです。

「御作事場跡(成羽美術館)」。
御作事場は政務を司っていた場所で、
跡地は美術館となっています。

「書院跡(成羽地域局)」。
領主が政務を行っていた書院の跡地。

「御庫屋敷跡(成羽小学校)」。
名所から蔵や倉庫のエリアかとおもいきや、
御殿が建てられていたようです。

土塀と武者走り。
石垣や瓦付の土塀が残っており、
武者走りも状態良く保存されています。

外から見た石垣と土塀。
隠れていますが綺麗に保存された城壁。
隠されているのが勿体ない気はしますが、
それゆえの保存状態なのかもしれません。

「外園跡(はす池)」。
陣屋の西外にあるはす池は庭園の名残。
良い感じに草庵がありますが、
廃墟となっているので勿体ない。

裏手側の石垣。
これほど石垣が残っているのは珍しい。
大切に守って貰いたいものですね。

成羽山崎家は堅実な経営を続け、
実高は万石を越えていたようです。
京都に比較的近い土地柄故か、
勤皇思想を持つ家臣も多く、
新政府が発足するといち早く恭順しました。
これが功を奏して高直しが行われ、
諸藩に列することになっています。

【成羽藩】
藩庁：成羽陣屋
藩主家：近江山崎家
分類：１万２０００石、維新立藩