山口宿は雄ノ山峠の南にある宿場町で、
峠へ向かう者は鋭気を養い、
峠を降りてきた者は疲れを癒したという。
「山口宿跡」。
古い建物がちらほら残っており、
ある程度の面影は残っています。
往時は大変な賑わいを魅せていたという。
この宿場に隣接して、
紀州藩の山口御殿が建てられていました。
「和歌山市立山口小学校(山口御殿跡)」。
山口御殿跡に建てられている小学校。
小学校にある史跡訪問は気を使いますが、
恐る恐る職員室に挨拶すると、
教務主任クラスの女性の先生が、
感じよく許可してくれて、
山口御殿跡のパンフまで頂きました。
「石橋」と「山口御殿跡」碑。
校庭にちょっとした池庭が造られており、
御殿で使われていた石橋が移されています。
紀州藩主は多くの御殿を造営していますが、
それらは隠居所、鷹狩所、静養所など、
藩主の私的利用の施設でした。
ですがこの山口御殿は唯一の公的施設で、
参勤交代や幕府使節の休憩所にも利用され、
番所や詰所、水堀も築かれていたという。
御殿は初代藩主徳川頼宣によって建てられ、
江戸時代を通じて存在したようで、
庶民の旅人と同じく藩主や幕府施設も、
峠へ向かう前に鋭気を養い、
峠を降りた後で疲れを癒したのでしょう。
■関連記事■
・和歌山県和歌山市 京橋
紀州街道の終点。
・和歌山県和歌山市 和歌山城
紀州徳川家の居城跡。
・和歌山県和歌山市 岡公園
和歌山城の隣にある記念碑公園。
・大坂府阪南市 山中宿跡
紀州から峠を越えた最初の宿場。