青山霊園にある澤太郎左衛門の墓所。
野津家の墓所の隣にあります。


「従四位勲五等澤太郎左衛門
　妻　長子 墓(右)」。
「澤累代之墓(左)」
澤は幕臣澤太八郎の長男として生まれ、
箱館奉行所に書物御用掛として出仕。
長崎海軍伝習所に入所し、
築地軍艦操練所の教授方出役となります。
文久2年に蘭国留学生に選出され、
欧米各国を巡察し大砲や火薬について学び、
幕府が発注した軍艦開陽丸で帰国。
軍艦役並勤方を経て軍艦頭並となりました。
大坂城を脱出した将軍徳川慶喜らを乗せ、
開陽丸で江戸に出航。
榎本武揚らと共に品川沖から脱走し、
開陽丸の軍艦頭に任じられています。
蝦夷共和国での入札により開拓奉行に選任。
室蘭で奥地北辺一帯の防御を担当しますが、
五稜郭で榎本が降伏した報を受けて、
室蘭にて降伏しました。
江戸に護送されて入牢した後、
明治5年に放免。
開拓使御用掛を経て海軍兵学寮に勤務し、
後に兵学権頭兼兵学大教授となり、
海軍兵学寮が海軍兵学校となると、
教務課長被仰付、砲術課長仰付、
教務副総理を務めて、
海軍一等教官に任じられています。
明治19年に退官。
余生を過ごして明治31年に死去しました。

墓所は青山霊園1種イ1号25側。

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