きみまち阪は米代川に迫る険しい山で、
県立の自然公園となっている場所。
江戸時代以前はこの山があった為、
荷上場宿と小繋宿間に道が出来ず、
米代川を舟渡しで渡っていました。
とはい増水等で舟が出ない場合もあり、
その際は険しい山をよじ登って、
反対側に辿り着いていたようです。
この山の名称は荷上場側が郭公坂、
小繋側を馬上坂や畜生坂と呼びましたが、
明治14年の明治天皇の東北巡幸で、
皇后が歌を詠んで渡したとのこと。
後に徯后(きみまち)坂と名付けられました。
「きみまち阪公園」。
現在は県立自然公園として整備され、
観光名所となっています。
また上記の皇后の逸話から、
恋文の聖地となっており、
デートスポットとなっているとのこと。
「びょうぶ岩」。
公園に登るとまだ雪が残っていました。
雪に覆われてはいますが、
整備された美しい公園だとはわかります。
後方は岩壁が連なって屏風のようで、
びょうぶ岩と通称されているとのこと。
屏風は結婚式のイメージがありますので、
こういうのも聖地のポイントなんでしょう。
「恋文神社」。
夫婦杉の裏手に鎮座する恋文神社。
恋愛成就の御利益があるとのことですが、
僕には余り関係ありません。
とはいえこういうのは嫌いではない。
日本人らしいなと思いますので。
「米代川と七座山」。
蛇行する米代川と海岸の七座山。
往時はこの川に渡し舟が往来し、
その風景も賑やかだったことでしょう。
七座山は名の如く7つの峰が連なる連山。
まさに絶景ですね。
岩を切り開いた道。
東北巡幸の前年に地元民が切り開いた道。
よじ登るしかない岩山でしたが、
この道が切り開かれた為に、
明治天皇は陸路で行く事が出来ました。
「昭憲皇太后御歌」碑。
皇后が明治天皇に渡したとされる歌。
大宮のうちにありてもあつき日を
いかなる山か君はこゆらむ
「明治天皇御休巖」碑。
明治天皇はここで暫く休憩されたようで、
見事な景観と素朴な人情を褒めたという。
「明治天皇御賜名 徯后阪」碑。
天皇は徯后阪の名を下賜していますが、
説明文は道を切り開いて天皇を待ったので、
徯后阪を名付けたとなっています。
それならば后なのは変ですが、
これは天皇自らの命名とのことですので、
自分を待った坂と命名するのも難なので、
あえて皇后を待ったとしたのでしょう。
これは明治天皇の人柄かもしれませんね。
個人的な推測ですが・・。
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