孔子廟は儒教の開祖孔子を祀る霊廟。
儒教は本来宗教に属する教えですが、
日本では儒学として受け入れられ、
宗教より学問的な意識が強かったようで、
藩校等に付随して孔子廟が建てられました。
この為日本の孔子廟の殆どは、
学問の精神的支柱となっていましたが、
藩校の廃止や神道の復興により、
その多くは失われしまったようで、
現在あるのは14ヶ所とされています。
今回は泗水孔子公園にある孔子廟へ。
ここは非常に特殊な事情で建立されました。
「泗水孔子公園」。
熊本県菊池市にある泗水町の地名が、
中国山東省泗水県に由来したことから、
町名百年記念として整備された公園。
泗水町は合志(こうし)郡の6村の合併で、
合志川に4本の支流が流れ込んだ事と、
合志が孔子と読みが同じであった事から、
孔子生誕の地である泗水県にちなみ、
名付けられたとされています。
そして後の平成4年の町名百年記念に、
中華宮廷建築様式で孔子廟が建立。
周辺が公園として整備されました。
・・・つまりテーマパーク??
「祀聖亭(六角亭)」。
祀聖亭と名付けられた孔子廟。
中央にある3mの孔子像は、
泗水県産の石が使用されています。
周りは四人の弟子の像が囲んであり、
真に本格的な聖廟といった感じ。
毎年の夏祭りには祭孔大典が行われ、
孔子の遺徳を偲んでいるとのこと。
かなりの本気度が伺えますが、
たぶん町内で儒教を信仰している人や、
学問の精神的支柱としている人は、
皆無なんじゃないかと思いますが、
それが日本らしくて良いと思います。
■関連記事■
・長崎県長崎市 長崎孔子廟
清国と在日華僑が建立した孔子廟。
・東京都文京区 湯島聖堂
徳川綱吉により建立された孔子廟。
・佐賀県多久市 東原庠舎跡/多久聖廟
郷校東原庠舎内に建てられた孔子廟。