天明年間(1781-1789)に志賀島村で、
百姓甚兵衛が水田の耕作中に金印を発見。
※甚兵衛に雇われた小作人秀治と喜平が、
直接の発見者とのこと。
耕地の為に巨石を動かした際に、
その下に埋められた箱に入っていたようで、
驚いた甚兵衛は福岡藩の郡奉行に報告し、
後に儒学者亀井南冥によって鑑定されて、
[後漢書]記述の金印であるとされました。
南冥はこれを研究して鑑定書[金印弁]を著し、
福岡藩黒田家は金印を大切に保管。
維新後に東京国立博物館に寄託され、
昭和6年に旧国宝に指定されています。
「金印公園」。
志賀島の南端にある金印公園。
金印が発見された場所とされていますが、
詳しい事は判っていません。
※九州大学や教育委員会の調査でも、
何も発見されなかったようです。
[漢委奴國王金印發光之處]の跡碑が建ち、
公園として整備されています。
「金印のオブジェ」。
実物の金印は東京国立博物館を経て、
黒田家が福岡市博物館に寄贈しています。
※常設展示でいつでも見られます。
金印は総高2.236cm、鈕高1.312cm、
印面長平均2.347cm、質量108.729g、
体積6.062、比重17.94の鋳造品で、
印面に[漢委奴國王]と薬研彫りされており、
鈕には蛇が意匠されているようです。
偽物説もあって真相は不明ですが、
現在は真物だとされる方が有力。
よくわかりませんがロマンですね。
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三津七湊のひとつだった博多津。