大分県宇佐市 佐田賀来家関連史跡

佐田賀来家は佐田村の大庄屋。
一族から反射炉を製作した賀来惟熊
本草学者賀来飛霞などを排出しました。

宇佐市安心院町佐田で、
佐田賀来家関連を巡ります。

宇佐市安心院町佐田周辺
(a賀来家屋敷跡,b佐田神社,c賀来家墓所)

まずは大庄屋賀来家屋敷跡へ。

賀来家屋敷跡(石垣)」。
県道716号線沿いから見えます。
ここに島原藩領の大庄屋賀来家の屋敷があり、
周辺地域5000石を統括統轄しています。
しかし西南戦争で起こった百姓一揆で焼失し、
現在は石垣を残すのみとなっています。

石垣の側には説明板が建てられていました。

女優賀来千賀子は佐田賀来家の直系との事。
TV朝日「旅サラダ」でここを訪れたようです。
※コメントに直系ではないとの指摘アリ。
 とはいえ説明板に書かれていますので、
 今のところ修正は致しません。



石垣の上は畑や他家の墓があるだけですが、
少し奥に初代の墓があります。


佐田賀来家初代賀来景吉の墓」。
佐田賀来家の初代とのことですが、
詳細はあまりわかっていないという。
室町時代の人物との事。

県道716号を西へ進み佐田神社へ。

佐田神社」。
佐田郷の総鎮守社。
武内宿祢素戔嗚尊大山祇命を祀ります。
幕末の佐田賀来家の当主賀来惟熊は、
この境内に反射炉を造り大砲を鋳造しました。


大砲鋳造記」碑。
境内にある記念碑。
どこに反射炉があったかわかっていませんが、
賀来惟熊は嘉永6年に反射炉の建設に着手し、
紆余曲折を経て安政2年に完成させています。
僅か8門の大砲を鋳造するのに、
2年の歳月を要したようですが、
最終的には100門を越す大砲を、
ここで鋳造したとされています。

薩摩藩が反射炉を完成させたのは安政4年で、
民間で2年前に完成させていたとは驚きです。


佐田神社拝殿」。
横に長い開放的な入母屋造平入の拝殿。
この後ろに幣殿、本殿が続きます。

本殿を囲む塀に反射炉の耐火煉瓦があります。

耐火煉瓦」の塀。
本殿を取り囲むように造られている塀は、
反射炉の耐火煉瓦が使われています。
ところどころ焼けたような跡も見られました。

宇佐別府道路を超えて賀来家墓所へ。

佐田賀来家墓所」。
本来別の場所にあったようですが、
高速道路の建設に伴い、
現在の位置に移設されたようです。


賀来惟熊翁碑」。
佐田賀来家当主賀来惟熊の顕彰碑。
民間初の大砲鋳造の偉業を称えた碑で、
これも移転されたもの。


賀来惟熊墓」。
無数に並ぶ墓石の中央奥に建てられています。
本草学者賀来飛霞の墓もあったようですが、
すっかり探すのを忘れていました。
飛霞は帆足万里山本亡羊に本草学を学び、
植物観察記録と精密な写生図を残した人物。
伊藤圭介飯沼慾斎と並ぶ、
幕末の三大本草学者の一人と称されました。

賀来惟熊は幕末の佐田賀来家の当主で、
4人の息子と共に反射炉を建設し、
大砲を造りあげた人物。
日出藩の注文で青銅砲を制作していましたが、
島原藩の許可を得て鉄製大砲を制作。
佐田神社境内に反射炉を造りました。

許可を得たといっても資金はすべて自前
高い技術力と費用を必要とする反射炉を、
民間の手だけで完成させました。
もちろんスムーズにはいかないもので、
鉄の溶解温度に耐える煉瓦の制作に苦心し、
完成しても溶解温度に達しなかったりと、
苦心苦労の連続だったようです。

造られた大砲は隣国諸藩で配備され、
海防強化の一翼を担いました。
後に息子たちは島原藩や佐伯藩、
鳥取藩等で反射炉を建設しますが、
慶応2年に反射炉は取り壊されます。

民間で日本で2番目の反射炉が造られたのは、
まことに驚きの一言。
大砲鋳造の人夫は佐田村且尾村の人々で、
鋳造技術者が多く育成された為、
各藩はこぞって彼らを雇ったという。
地元の雇用にも貢献したようですね。

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 佐田村は島原藩の飛地領。

大分県宇佐市 佐田賀来家関連史跡」への2件のフィードバック

  1. 匿名

    賀来千賀子さんは直系の子孫ではありません。よく調べてから書いてください。

    返信
    1. kii 投稿作成者

      コメントありがとうございます。
      そうなんですね。
      よく調べてから書いてくださいとのことですが、
      2番目の写真の説明板に書かれていますが・・。
      説明板は佐田地区まちづくり協議会の建立です。
      勿論この件についてよく調べていませんが、
      出来れば否定だけでなく正解も欲しいですね。

      返信

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