和歌山県和歌山市 紀州東照宮と和歌浦天満宮

紀州東照宮徳川頼宣紀州藩に入封した際、
南海道の総鎮護として創建した東照宮で、
和歌の浦の入江を望む雑賀山に建立されました。


紀州東照宮」。
♪和歌の浦には名所がござる
 一に権現、二に玉津島、
 三に下がり松、四に塩釜よ

 ヨイヨイヨイトナ
上記に謳われるように和歌浦随一の名所とされ、
関西の日光とも称されたという。
東照宮は初代将軍徳川家康を、
東照大権現として祀る神社で、
江戸時代には約700社が建立されていますが、
ここは御三家の建立した東照宮ですので、
由緒としても日光久能山に次ぐものでした。


侍坂」。
参道の先には急勾配の108段の石段。
百八の煩悩を表しているとされ、
一段登るごとに煩悩が清められるとされます。


沙也可顕彰碑」。
参道左の土手にある新しめの顕彰碑。
朝鮮出兵加藤清正の配下として朝鮮に渡り、
大義のない戦であると朝鮮軍に投降し、
朝鮮軍に火縄銃を伝えて、
日本軍と戦った謎の武将とのこと。
碑が建てられたのはその沙也可という人物が、
雑賀衆の鈴木孫次郎であるという説がある為。
完全に日本にとっては裏切り者なので、
日本で顕彰する意味が不明です・・・。


楼門」。
侍坂を登った先にある楼門。朱色が美しい。
両端には家臣らが寄進した石灯籠が並びます。
国指定重要文化財


唐門」。
唐門およびその先の拝殿石の間本殿も重文。
朱色が緑に映えて美しい。
拝観料は大人300円。麓の駐車場に停めると、
1名分はタダとなります。


拝殿」。
漆塗・極彩色の精巧な彫刻。
日光東照宮と同じく唐様権現造の社殿。
左甚五郎作と伝えられる装飾や、
狩野派土佐派の絵などが美しく残っています。


左甚五郎作の彫刻」。
拝殿、本殿は外周を廻ってその装飾が楽しめる。
伝説の彫刻職人左甚五郎による欄間は、
全て違っていて観るものを飽きさせません。
※日光東照宮の眠り猫などが代表作。

紀州東照宮を出て西側の和歌浦天満宮へ。

和歌浦天満宮」。
菅原道真大宰府に流される途中、
乗船は風波を避けるために和歌浦に停泊します。
その際に和歌を2首詠んだという。
後に参議橘直幹が大宰府からの帰路に、
和歌浦へ立ち寄って神霊を勧進し、
ここに祀ったのが始まり。
現在の社殿等は浅野幸長が再建させたもの。

正面の参道石段は急でしかも一段が大きい。
しかしながらとても美しいものでした。


拝殿」。
大宰府天満宮北野天満宮と共に、
三菅廟とされます。
※諸説あり。
学問の神様ですので受験生に人気があり、
受験シーズンには賑わう事でしょう。

紀三井寺長保寺和歌山城
そしてこの紀州東照宮と和歌浦天満宮。
和歌山訪問は急な石段登ってばかりでした。

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