三重県鈴鹿市 石薬師宿跡

石薬師宿東海道の44番目の宿場。
空海が石に刻んだとされる薬師如来が、
本尊として祀られている石薬師寺には、
参勤交代の大名達も道中安全に参拝し、
大きな賑わいをみせた宿場だったという。

西口より散策。

石薬師宿跡」。
才石川を渡って宿場跡へ。
坂道の風景は宿場の面影を残しており、
古い家屋もある程度残っています。


石薬師寺」。
越の大徳と称された泰澄が、
掘り出された巨石を薬師如来の示現とし、
後に空海がその巨石に薬師如来を刻んで、
人々の信仰を集めていたようで、
嵯峨天皇勅願寺として荘厳な寺院を建立。
西福寺瑠璃光院と称しました。
江戸時代初期に石薬師寺と改称し、
神戸藩藩主一柳直盛が諸堂宇を再建。
参勤交代の諸大名が道中安全を祈願する為、
この寺に参拝した事が知られます。


参道はモミジのトンネル。
紅葉ももちろん良いのでしょうが、
新緑のモミジもそれはそれで美しい。


薬師堂」。
石薬師寺の本堂
寛永6年(1629)に再建されたもの。
空海の刻んだ本尊の薬師如来は秘仏で、
12月20日におすす払いの際のみ開帳。


歌川広重 東海道五十三次 石薬師」。
広重の描いた石薬師宿は、
山門前の脇道からの風景。

石薬師寺を出て北上。
街道は国道25号線の上を横切っています。

瑠璃光橋」。
国道は小高い土地を削って造られ、
街道を切断してしまったようで、
この橋が建設された模様。
よって往時はこのような橋はありません。


橋を渡ると坂は終了し、
以降は平地となって続きますが、
古い家屋は殆ど残っていません。

県道を過ぎると佐佐木信綱記念館で、
その隣が鈴鹿市立石薬師小学校
更にその隣には本陣跡があります。

小澤本陣跡」。
本陣を務めた小沢家の跡地。
この建物は明治期に再建されたもので、
宿場時代のものではないとのこと。


東口跡」。
国道25号線に接続する辺りが東詰。
入口には地蔵堂が建てられており、
旅人の安全を見守っています。

■東海道の宿場町

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