島根県安来市 広瀬陣屋跡

広瀬藩松江藩の支藩。
松江藩初代松平直政の次男松平近栄が、
父の死去の際に3万石を分与され立藩。
最初は蔵米支給であったようですが、
後に所領が広瀬周辺に定められて、
広瀬陣屋が建設されています。


広瀬陣屋跡」。
安来市地域包括支援センター周辺が、
広瀬陣屋の建てられていた場所。


松平広瀬藩邸跡」。
地域包括支援センター入口にある跡碑。
この地にはかつて城安寺がありましたが、
これを移転させて陣屋地としました。
寛政3年(1791)には新館が建てられる等、
数度の改修が行われたようです。


センター周辺の石垣は陣屋の遺構。


広瀬藩邸跡」説明板。
跡地にある説明板。
碑や説明板では広瀬藩邸と表現されますが、
ブログの整合上ここでは広瀬陣屋とします。
歴代藩主は江戸に定府した為、
初~中期は政務を行える程度の規模で、
豪華な御殿はなかった模様。
後に8代松平直寛譜代衆取締役を務め、
この功で城主格大名に昇進しますが、
直寛は領地に入る事はなく、
9代松平直諒が初めて国許に入り、
大規模な拡張工事が行われたようです。
この9代直諒は名君とされており、
積極的に藩政改革を行っていますが、
10代松平直巳は有能な藩主ではなく、
何ら政績を残す事は出来ず、
明治維新を迎えました。
広瀬陣屋は廃藩後に能義郡役所となり、
大正4年に発生した広瀬大火で焼失。
近年に発掘調査が行われた後に、
地域包括支援センターとなっています。

【広瀬藩】
藩庁:広瀬陣屋
藩主家:近栄流越前松平家
分類:3万石、譜代大名(松江藩支藩)

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