大鰐宿は羽州街道の宿場で、
古くからの温泉地だったとされ、
平安末期~鎌倉初期に円智上人が、
当地に高伯寺(現大円寺)を建立する際に、
夢のお告げにより温泉を発見。
江戸時代には弘前藩が湯治場として整備し、
藩主専用の御殿湯も造られました。
大鰐町周辺。緑の線が街道筋で、
青くぼかした辺りが大鰐宿跡。
「大鰐宿跡」。
街道は緩やかに蛇行しており、
往時の雰囲気を残しています。
但し宿場時代の建物はありません。
「大圓寺」。
前身は円智上人建立の高伯寺で、
弘前藩3代津軽信義が本尊を補修させ、
現在地に御堂を建立。
以後は津軽家代々の崇敬を受けました。
後の明治4年に弘前から大圓寺が移り、
寺号も大圓寺に改められています。
「本堂」。
朱赤の美しい本堂。
本尊は大日様と呼ばれていますが、
実は大日如来ではなく阿弥陀如来像。
胎内仏があるという噂のありましたが、
大正時代の調査では何もなかったようで、
何故大日如来として祀られていたのかは、
未だに解明されていないようです。
「萩桂」。
大圓寺前にある萩桂。
円智上人が印度より種を持ち帰り、
ここに蒔いたとされていますが、
昭和18年の落雷で倒れて枯死。
現在の木は大正期に採種されたものを、
育成して移植したものとのこと。
「羽州街道」碑。
大鰐バス停にある羽州街道碑。
大鰐の地名の由来は、
大圓寺に大きな阿弥陀仏がある事から、
おおあみ→おおわにになったとか、
大アネ(アイヌ語で森林のある谷間)が、
大ワニになったとか、
オオサンショウウオがいたからとか、
色々と説があるようです。
■羽州街道の宿場町
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