「百花春風抄」朔田浩美1

①/

何度か見かけて気になっていたんですが、
東行庵に売ってたので買っちゃいました。
高杉晋作が主人公の漫画です。

基本的に幕末モノ漫画というのは、
誇張されたり、歴史誤認があったり、
パロディがあったりで、
鼻につくものが多いので、
やはり好き嫌いがはっきりします。

物語なので誇張はある程度仕方ない。
たとえば新撰組隊士一人で、
10人と斬りあって勝つとか。
たとえば偶然に重要人物にばったり会うとか。
これは当然アリだと思います。
・・でも、
たとえば超ウルトラスーパー必殺技を使って、
一振りで100人くらいの刺客をなぎ倒すとか、
たとえば主人公又は敵役が超頭が良くて、
明治維新はそいつが影で操っていたとか。
こんなのはナンセンスです。

歴史誤認はわかっててそうしてるのか、
知らないでそうしてるのかがポイント。
たとえば薩長同盟は龍馬一人で成し得たとか、
たとえば三吉慎蔵が長州藩士であるとか。
薩長同盟の話は中岡慎太郎他、
沢山の人々がこれに関わっていますし、
たった1回の会談で決まった訳ではない。
けれど当事者が主人公の話でなければ、
※たとえば新撰組の話とか。
[坂本龍馬の斡旋で薩長同盟が成った]とか、
1コマに要約するのはアリでしょう。
三吉慎蔵は正確には長府藩士
でも長府藩は長州藩の支藩ですし、
長州商事㈱の子会社の長府工事㈱な感じで、
これをいちいち説明するよりは、
長州藩士とした方がスムーズな場合もある。
これはあまり好きではないですが、
知っててそうしてるならアリかなと。
でも長州藩が早い時期から、
密かに倒幕をたくらんでいたとか。
本当に重要な人物を描いていないとか、
※晋作の場合は結構ある。
歴史の流れにおいて全く辻褄が合わないとか。
読んでて萎えます

パロディはセンスでしょう。
たまに現代語とか横文字がでても、
それは問題ない場合も多々ありますし、
鼻につくパロディなのか作者がバカなのか、
まったくわからないものもあります。

かなり前置きは長くなりましたが、
百花春風抄という漫画。
少女漫画?少女でもないですよね?
少年漫画より高年齢なのは青年漫画ですが、
少女漫画の年齢層高いのはなんでしょう?
レディースコミック?
それではエロスの香りがしますね。
なんてジャンルなんでしょう?
まあいいです。
朔田浩美さんという女流漫画家の作品です。

花の章風の章があるのですが、
花の章は高杉晋作と5人の女性
風の章は高杉晋作と6人の男性について、
それぞれ描かれています。

前置きでうだうだ書きましたが、
この漫画はけっこう気に入りました。
高杉晋作についてよく知っていらっしゃる。
そしてセンスもいい。
歴史漫画を意識せずに、
けれども幕末好きが喜ぶような事柄を、
さりげなくしかも随所にちりばめています。
なによりも高杉晋作にを感じます。

なんだか前置きが長くなりすぎたので、
また後日レビュー致します。

①/

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