「獄に咲く花」という映画をレンタル屋で借りてみました。
古川薫著「吉田松陰の恋」が、原作の映画です。

松蔭という人は、生涯独身で全く女っ毛がない人ですが、
唯一野山獄に入牢している際に、
高須久という女性と俳句で淡い恋のやりとりをしたという記録があります。
物語はほとんど野山獄という牢獄の中。
幕末モノの映画では結構珍しいですね。
牢には鍵がなく行き来自由。
牢番も囚人に「○○様~」と様づけ。
とはいえ、刑期がなくいつ出られるとも知れず、
囚人達は荒んでいます。
そこへ松蔭が入獄してきます。
はじめは邪見に扱っていた囚人たちも、
松陰のポジティブシンキングに心を開きだします。
政治の話や句会、習字などをして生きる希望がみえてきます。
久もそのひとり。淡い恋心を抱きます。
やがて、一足先に松陰は出獄。
皆を出獄させるように、藩や家族に働きかけると約束して別れます。
出獄後、松陰は松下村塾を開き、過激な尊皇攘夷運動に走り出し、
挙句、老中暗殺を企て、そのことでもう一度野山獄へ戻ってきます。
久は喜びますがそれもつかの間、幕府から松陰に招集がかかります。
時は安政の大獄。そこには死が待ち構えています。
久は今生の別れに囚人服から綺麗な着物に着替え、松陰を送り出します。
なんとも淡く切ないラブストーリー?でした。
■関連記事■
・「野山獄相聞抄」古川薫
獄に咲く花の原作 。
・萩市 芳和荘&野山・岩倉獄
野山獄の跡。
・萩市 涙松遺跡
松陰が萩城下に別れを告げた場所。