「亀の甲せんべい」という銘菓があります。
江戸麹町出身の金次郎は、
幼少の頃より菓子作りを覚え、
長崎でオランダの洋菓子作りを習得し、
文久2年に江戸に帰る道中で、
兄がいた赤間関に立ち寄りました。
増田多左衛門(金次郎)
北前船の寄港地でもあり、
各藩の米倉屋敷や問屋など建並び、
人がにぎわう赤間関を金次郎は気に入り、
この地で菓子屋を始めることにしました。
現地の氏神亀山八幡宮にあやかり、
亀の甲羅を形どり、精白糖、鶏卵、小麦粉で、
洋菓子のような煎餅を売り出します。
パリッとした歯ごたえと口に入れると、
トロリと溶ける様な柔か味のある風味がウケて、
たちまち人気の菓子屋となりました。
下関の人々は金次郎を「江戸から来た金さん」、
「江戸の金さん」と呼んで親しみ、
この事から屋号を「江戸金」とします。
亀の甲せんべいは現在も変わらず作り続けられ、
下関を代表する銘菓となっています。
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